近畿圏では中学受験を目指す全生徒数に対して人数比で上位約10%にあたる中学校が最難関中と呼ばれています。
難関中学というのははっきりした定義はありませんが、だいたい上位10%~50%くらいの範囲になるかと思います。
大手塾に1年以上通塾している生徒であればだいたいどこかの難関中学には合格できると考えていいのではないでしょうか。
というわけで、特に大手塾内では近畿圏では難関中は最難関中よりも下の学校というイメージが強いのではないでしょうか。
最難関中がひたすらガツガツ勉強して、医学部や国立大学を目指して行くのに対して、
難関中は勉強ばっかりではなく部活や遊びも楽しみたい、無理してまで上を目指そうとは思っていない、あわよくば国公立大学に行って欲しいと考える人が多いような気がします。
しかし、難関中に行ったら楽などと思っていたらそれは間違いかもしれません。
難関、最難関なんていうのは塾が勝手にそう呼んでいるだけで、中学校にはそれぞれのポリシーがあります。
難関中だからのんびりした学校生活を送れると思っていたら、最難関中以上にガツガツ勉強させる学校もありますし、夏休みがほとんどない学校もあります。
むしろ最難関中の方が生徒の自主性に任せるということで、かなり自由な校風の学校が多いのではないかと思います。
中学校で習う範囲は文科省の学習指導要領で決められていますから、どこの学校でもほとんど差はありません。
教科書以外にワークや問題集、学校独自のプリントなどが宿題に出され、それが定期テストの範囲になります。
私立の中学校でよく使われる問題集にはいくつか種類があります。
例えば新中学問題集、シリウス、実力練成テキストなどを使っているところは多いのではないでしょうか。
これ、実は高校受験を目指す塾などでよく使われている塾用の問題集なのです。
内容的には中学受験の大手塾の基本テキストと同じようなイメージですね。
たいてい標準編と発展編があります。
高校受験の塾の場合、発展編を使うのは上位クラスです。
公立トップ校や私立上位校を目指す生徒が対象です。
どの私立中学がどちらを使うのか調べたわけではありませんが、今まで生徒に聞いてきた範囲で言いますと、大手塾の偏差値で50を超える学校はだいたい発展編を使っているようです。
コースに分かれている学校の場合、一番上のコースは発展編、一番下のコースは標準編を使っていたりします。
コースが3つある場合、2番目のコースがどちらを使うかは学校の方針次第ですね。
科目によっても違うようです。
何が言いたいかというと、無理はしたくないからと難関中に行っても、学校やコースによってはかなり勉強させられますよということです。
舐めてかかってはいけません。
特にコース制の学校の一番上のコースともなると、いわゆる最難関中残念組の受け皿などとも言われていますが、6年後のリベンジを誓って燃えている生徒もたくさんいるのです。
学校も最難関中には負けたくないと思ってやっているのか、最難関中のカリキュラムと同等かさらに過酷なカリキュラムを組んでいたりします。
”面倒見のよさ”、”塾は不要”を売りにしている学校の場合、授業時間が他の学校やコースよりも多く、課題をたくさん出し、夏休みがほとんどないか、あっても夏期講習が組み込まれていたりします。
それだけ勉強すると塾に行く余裕はほとんどありませんから、塾は不要ということになるのでしょう。
ただし、面倒見がいい分年間授業料も少し高めになっていたりします。
「中学に入ったら遊べると思ってたのに(親に)騙された」
なんて声も聞こえてきます。
同じことをやっているのなら受験の時のレベル差なんて関係ないのでは?
と思うかもしれませんが、レベルが高い学校やコースでは授業が進むスピードが速くなります。
中学内容3年分を早い学校は中2のうちに終わって、高校内容に入ります。
遅い学校でも中3のうちに高校内容に入ります。
高校受験がないわけですから、公立中学に比べたらその分先取りができるわけですね。
そして、高校内容も高2までに終わります。
あとは大学受験に向けてひたすら勉強していくわけです。
ここで公立高校とは少なくとも1年の差が出来ます。
それが私立中学の現役率の高さ(公立・国立と比べて)の秘密です。
つまり、全員が飛び級しているようなものですね。
学力的には全員が1浪しているのと同じと考えることもできます。
大学受験を次の目標と考えた場合、最終的に大学受験時に行きたい大学に合格するための学力をつけなければならないということです。
そのためにどこの中学・高校に進学しようと、最終的には目標ラインに到達してなければならないわけです。
どの学校を選ぶかということも大事ですが、どの学校を選んでも本人の努力は同じだけ必要だということなのです。
ここを勘違いしてはいけません。
いくら進学実績のいい学校に入っても、いくら面倒見のいい学校に入っても、そこで深海魚になってしまったら一緒です。
深海魚になる原因はただ一つ、勉強量が足りないということです。
反対に、自分で計画を立ててしっかり勉強できるのであれば、極論としてはどこの学校に行ってもかまわないということですね。
なるべく自由で、授業時間も短く、宿題も少ない学校に入れば、余った時間で塾・予備校に通って家で効率よく勉強できます。
そういう子が選ぶ学校が最難関中(一部を除く)です。
自発的に勉強はしない方だけど、学校や塾の課題はちゃんとやるタイプなら、ガツガツ勉強させる学校に入れて塾にも通わせて、なるべく家でダラダラする時間をなくしてしまえばいいということですね。
それでも勉強があまり好きではない子が国公立大学に行くのはかなり厳しいと思います。
私立大学に比べて科目数が多いからです。
高校で選択科目を取らなければなりません。
中学校が国公立大学合格率にこだわっている学校であれば、全員がなんとなく国公立受験に必要な選択科目を受講しなければならない雰囲気になりますから、そういう学校に入れてしまうのもいいかもしれません。
とにかく勉強が嫌い、家ではすぐに遊ぶ、中学に入ったら深海魚まちがいないというタイプもいると思います。
せめて大学は関関同立くらいには行って欲しいと思うのなら、今から関関同立の附属中学を強くおすすめします。
ここ数年、少子化の影響で一昔前と比べてかなり入りやすくなっています。
ところが大学受験になると、それなりにレベルが高いのです。
偏差値50くらいの難関中に入っても、学年で下の方にいると現役合格は難しいかもしれません。
附属中学ならよっぽど悪いことでもしない限りは全員大学進学できます。
希望の学部があるなら学内の成績を取らなければならないかもしれませんが、外部受験に比べたら楽だと思います。
国公立も諦めきれないというなら塾は必要になりますが関大系列ですね。
まだまだこれから志望校を考える人もいるかと思います。
よく考えて自分の子にあった学校を見つけてあげてください。