脳の能力を高めるとして提供されている脳力トレーニングゲームのサービスを提供していたLumosityという会社に対して、アメリカ連邦取引委員会は「科学的裏付けがない」として200万ドル(約2億4千万円)の罰金処分を下したそうです。
こういった脳トレゲームの多くは、ゲームのトレーニング効果によってIQが上がったという結果を根拠としているのですが、それがトレーニングではなくプラシーボ効果によるものであることが研究によって明らかにされました。
http://www.pnas.org/content/early/2016/06/16/1601243113.abstract
研究チームは被験者を25名ずつ2つのグループに分けて対照実験を行いました。
簡単に言うと、一方は「脳トレで能力をアップしよう」というキャッチコピーで募集したグループ、もう一方は「脳トレゲームに参加してクレジットポイントをもらおう」というもの。
両者とも事前にIQテストを行い、同じ内容のトレーニングを行った後にもう一度IQテストを行い比較したのです。
その結果、前者はIQが5~10ポイント上昇したのに対し、後者は目立った変化は見られなかったということです。
つまり、前者が能力向上したのはトレーニングによるものではなく、プラシーボ効果によるものであることが証明されたのです。
この塾がいいとか、この講座がいいとか、あるいはそれはいらないといった議論がよくありますが、本当にその効果があるのかないのかはちゃんと科学的に実験を行って証明しなければならないのです。
そうでなければそれらはすべて「科学的根拠のない仮説」にしか過ぎません。