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開かない弁当箱

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夏期講習が始まりましたが、6年生の保護者にとって悩みのタネがお弁当です。

朝から晩まで塾に行ってくれるので家ではホッと一息といきたいところですが、問題はお弁当をどうするかですね。

朝から晩までとなると最低2食分必要になるのです。

 

問題となるのは2食目です。

作る手間とか重さの問題よりも何よりも、恐いのは食中毒。

塾内はエアコンが効いて涼しいとはいえ、夏ですからやはり危険です。

朝作った弁当を2回目に食べるのは7時ごろですから、12時間近く経過します。

いくら加熱殺菌しようが保温しようが、万一のことがあっては困ります。

 

塾によっては、あるいは校舎によっては弁当を購入出来たり、近くの店に買いに行ったり、弁当屋に届けてもらえたりするのですが、そうでないところは困ります。

保護者が届けに行かなければなりません。

あまり早く持って行くと何の解決にもなりませんから、食べる直前の夕方に持っていくわけです。

それが毎日。

遠かったら大変です。

近くても大変です。

 

ちなみに近くに店がない教室は大変です。

講師も弁当を買いに行く時間がありません。

そんなときに若手の講師がいたらラッキーですね。

講師は昼休みにのんびり食べてられませんから、先に食べてしまいます。

昼休みは質問受けやら生徒管理やら。

 

そんなときによく悲劇が起こります。

母の愛情がたっぷりこもった弁当が、

雑菌が入らないようにと加熱してから密封したのに、

それがアダとなることもあるのです。

「先生、弁当箱が開きません!」

プラスチック製で密閉型の弁当箱で起きる悲劇です。

 

まだ弁当が温かいうちは、あるいは加熱直後は水蒸気が発生しています。

そのまま蓋をすれば、弁当箱の中は水蒸気で満たされます。

それが冷えると水蒸気は水に戻り、圧力は下がります。

酸素がほとんどない状態なら雑菌が入っても繁殖できませんし、加熱した時点でほとんど死滅しているでしょう。

一般的な弁当箱の大きさが15㎝×10㎝とすると、その表面積は150平方㎝になります。

仮に弁当箱の中が真空状態だとすると、弁当箱の蓋は大気圧で箱に押し付けられています。

大気圧は1013hPa(ヘクトパスカル)で、1平方㎝あたり約1000gの力がかかっているのです。

150平方㎝ならその150倍で、およそ150kg。

完全に真空ではなかったとしても、大気圧の半分程度であれば75kg。

大人の指の力でもそう簡単には開きません。

握力が80kgくらいあれば開けられるかもしれませんが、それは弁当箱の蓋を大人が踏みつけるくらいの力ですから、割れてしまう恐れもあります。

密閉性が高すぎるのも考え物ですね。

開放弁みたいなものがついていればいいのですが。

 

そんな弁当箱を生徒が持ってきて、「先生、開けて~!」というわけです。

たいていはすぐに開くのですが、それくらいなら子供でも何とかできます。

それでもどうしようもないときに助けを求めてくるのです。

 

「貸してみ」

と、職員や講師がよってたかって試してみたところでどうにもなりません。

となると最後は究極の選択です。

・弁当箱の蓋が壊れてもいいから無理やり開ける。

・弁当をあきらめる。

しかし、生徒に頼られて簡単に諦めるようでは講師の名がすたります。

力自慢の先生が出てきて、「壊れてもいい?」と生徒に確認します。

 

そんな場面を今まで何回か見てきました。

さすがに弁当箱が壊れたら可哀想なので助けてあげます。

プラスチック製の弁当箱に金属部品がないか確認して、

講師控室にある電子レンジに入れます。

加熱すること30秒。

 

暖められた水分は一部が水蒸気になります。

1立方cmの水が水蒸気になると体積は約1700倍になります。

弁当箱の中が水蒸気で満たされ、大気圧と同じくらいになれば蓋を開けるのに力はいりません。

 

 

もし電子レンジがなかったら?

多分黙って見てます。

 

 

 

ちなみに、夏休みは太りすぎに注意してください。

朝から晩まで勉強してもそれほど体力は使いません。

学校⇒家⇒塾の移動もないので運動量は少ないのです。

それほどおなかが減ってなくても、とりあえず弁当は全部食べてしまうのでカロリーオーバーになりやすいのです。

家に帰ってからさらに4食目を食べたりすると確実に体重は増えます。

育ち盛りの子供と言えども、食べ過ぎれば太ります。

これから入試までの間にその生活が続くと、体形が変わってくる子もいます。

十分に気をつけてください。

 

 

 

 


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