学年が上がって成績が下がったという人もいるかと思います。
下がってはいないけど目標とする成績に届かない人も多いでしょう。
そんなときにみんな何をするかというと、点数が取れない原因を探すと思うのです。
でも、それはあまり効果がないかもしれません。
むしろ逆効果になることも考えられます。
「何でこんなところミスするの?」
「ちゃんと見直しをしたの?」
「どうして問題文をちゃんと読まないの?」
「もっと綺麗に書けないの?」
などと国会の代表質問のような質問攻めをしていませんか?
あまりやりすぎると親の支持率が下がりますよ。
どこかのブログの影響できついダメ出しをする保護者が増えているのかもしれませんが、質問攻めのあとに論理的かつ的確な解答を用意していますか?
成績を上げるための効果的な学習方法を用意していますか?
何の解決策もなく、ただ追いつめているだけならそれは虐待です。
実際、成績を上げるとなるとプロでも難しいのです。
時間もかかります。
最低でも2ヶ月くらいは見ておかなければなりません。
それくらい長期計画で取り組まなければ成績が上がっても維持できないのです。
ダメ出しだけしていればいいのは偏差値65以上取っている子です。
公開テストなどで9割以上取れて、満点を取ることがあるというレベルです。
それくらいのレベルの子であれば、自分で考えて解決する能力があります。
ですから親が口うるさく言えば、それをどうにか黙らせようともう言われないようにと頑張るのです。
傍から見ていると恐ろしくなるほどの親子の会話ですが、それでも結果を出してくるのです。
スポーツの世界でいうと、試合前に監督が選手をビンタするようなものですね。
アドレナリンを出させるための合法的なドーピングかもしれません。
※ 現在では体罰とみなされます。
これが偏差値60くらいの子になると少しマイナスに働く可能性があります。
塾内ではかなり上位ではありますが、上位クラス帯の中で見ると下位になります。
つまり、上の下という位置づけですね。
最難関志望ならけっこう崖っぷちに立っているのです。
クラスの上位の子に対しては”全然勝てない”というネガティヴなイメージを持っています。
かなり勉強量は多いのですが、それでも勝てないのは自分の持って生まれた能力が低いからだと考えがちです。
そこを下手にダメ出しすると完全に自信を失ってしまう危険性があります。
成績が上位であるにも関わらず劣等感を持ち続けてしまう恐れがあるのです。
偏差値55くらいになるとまた状況は変わります。
中堅クラスの中では比較的上位、つまり中の上にいるわけです。
最難関を目指すにはきついのですが、難関レベルではかなり上位にいるので無茶な受験さえしなければ満足した結果に終わります。
親がいくらダメ出しをしたところで、塾ではそこまで出来なくても大丈夫と言われているので、まったく心には響きません。
また、このレベルの生徒の親はそこまできつくダメ出しをするタイプではありません。
勉強のことは塾任せになりがちなので、ダメ出しの内容も学習面より学習態度に重点が置かれます。
子どもが反抗期に入ればかなりバトルになるかと思います。
偏差値50前後になるとダメ出しをしても言い返してきます。
やたらと屁理屈を並べたり、力説したりとプレゼン能力が磨かれていきます。
親も丸め込まれてしまうことが多くなります。
平均点を取れているというのが最大の強みですね。
偏差値40台になってくると、免疫力が強くなります。
いくらダメ出しをしても、怒っても、叱っても、ビクともしない打たれ強さやネガティヴな頑固さを持っているのです。
ダメなら公立中学でもいいとか「この成績でも行ける学校がある」という楽天的な考え方、遊ぶためにはどんな犠牲も厭わないメンタル、これらは高い確率で遺伝しているのではないかと思うことがあります。
※ 個人の感想です。
点数が取れないと言っても、0点ではないはずです。
ということは、今までの勉強でそれだけの点数を取れるようになってきたのだと考えてみましょう。
つまり、「なぜ点数が取れるのか」と考えてみるのです。
得意分野が出題されれば点数が上がります。
授業で習ったばかりで覚えている範囲から出題されれば点数が上がります。
試験当日の調子が良ければ点数が上がります。
何か適当に勘で書いてみて当たれば点数が上がります。
得点の1点1点に必ず理由があるはずなのです。
それを突き詰めていくと、どうすれば点数が取れるかが何となくでも見えてくるはずです。
それが5点分くらいでもいいのです。
5点上がればその科目の偏差値は2~3ポイント上がります。
3科・4科の総合でも1ポイントくらいは上がります。
それが見えたらあとはコストとパフォーマンスの問題です。
5点上げるのに必要な労力がどれくらいなのか、10点ならどれくらいなのかと考えてみましょう。
欲しい点数とそれに必要な勉強時間の釣り合いがとれるところを探していくのです。
なぜ点数が取れないかなんて考えてはいけません。
そんなの実力が足りないからに決まっています。
そこをいくら責めても成績は上がりません。
「このままだったらもっと下がるよ!」なんて怒るよりも、
「こうすればもっと上がるよ♡」と言う方が効果的なのです。
もちろん上がらないこともあります。
そんなときは「次は大丈夫w」と流してしまいましょう。
もう少し具体的な方法が知りたい方はご相談ください。