テストが終わって成績表が返却されると家で反省会という人もいるのではないかと思います。
しかし、この「反省会」というのは私にとっては嫌なイメージしかありません。
会社で反省会とか嫌じゃないですか?
もし、塾で「保護者反省会やります」とか言われたら参加したいですか?
ひたすらダメ出しをされて、無茶な目標を立てさせられて、挙句にまだ反省が足りないとか言われたりします。
目標に到達してなければもちろんですが、上手くいっていても何だかんだと反省を求められたりします。
やたらと危機感を煽られて、さらなる頑張りを要求されて、でも給料は増えない。
ボーナス減額が発表される前によくわからない反省会が行われたりすることもあるようです。
そんな会社はブラックですね。
さて、反省会につきまとうネガティヴなイメージはどこから来るのでしょうか。
それも踏まえて「自宅反省会」を反省してみましょう。
自宅反省会
テストが返却されるとまず偏差値とか点数とか順位が気になると思います。
多くの人は第一志望校のA判定偏差値とか、受講資格の偏差値を目標にしているかと思います。
目標に対して数値が足りなければ「反省会」ですね。
目標に達していても、前回より下がっていたらやはり「反省会」です。
96点取れていても、なぜ100点が取れなかったか「反省会」かもしれません。
結局、満点を取らない限り反省会は避けられません。
下手をすると満点を取っていても、「字が汚い」とか「勉強の態度がよくない」などと反省点を突き付けられます。
でも、そこまで反省する必要があるのでしょうか?
もし毎月「反省会」をやっていても全然成績が上がらないのであれば、その「反省会」は全く効果がないということになります。
「いや、反省会のおかげで成績を維持できている」と言う人もいるかもしれませんが、成績維持が目標でないなら反省会の効果が出ていないということですし、成績維持が目標なら反省会をやる必要はないと思います。
反省点
思った点数が取れなかったときに、みんなその原因を考えると思います。
つまり、何か原因があるから点数が取れないのだと。
だから、その原因さえ突き止めて対策すれば点数が取れるはずだと思っているのかもしれません。
平均点を下回っている人の場合はそれでいいと思います。
しかし、満点を取れなかった理由なんて考えだすとキリがありません。
問題作成者は満点を取らせたくないのです。
ですから、正答率が低くなるような問題をわざと出題してくるわけです。
満点が取れなかった理由は問題作成者の意地ということになります。
これを打ち破るには問題作成者の想定を上回る実力をつけなければなりません。
日頃から正答率の低い問題に数多く当たって、その傾向に慣れ、対策を知っておかなければならないのです。
とても時間が掛かる作業なので、今からやってもどうなるものでもないと思います。
せめて、低学年から何らかの対策をしていないと難しいでしょう。
うっかりミス
うっかりミスをする人は多いと思います。
うっかりミスというのは明確な定義がなされていないので、ここでは次のように定義しておきます。
・問題文を読んでいない、読み間違えたこと(勘違い)による不正解
・単純な計算ミス(基本的な計算)、単位換算ミスなどによる不正解
・記憶違い、ど忘れ(忘却)、思い込みによる不正解
・解答の書き間違い、解答欄間違いによる不正解
などといった比較的難易度が低く、正答率が高い問題で、
・テストが終わってから気付いた
・自宅でやり直したら正解できた
・解答や解説を見たらすぐに理解できた
といった特徴があります。
これに対する反省としては、
・問題文をよく読む
・確認や見直しをする
などの対策があります。
しかし、それをやっている割にミスが減らないという人が多いのです。
「うっかりミス」というのは単なる「不正解」なのです。
それを「うっかりミス」と呼ぶことで、あたかも軽微なミスであるかのような錯覚を起こさせ、深く追求されることを逃れようとしているのです。
毎回うっかりミスをする人が、「次は大丈夫」なって言ったところで信用できるはずがありません。
それはその人の実力なのです。
つまり、基本問題できっちり正解出来ないということなのです。
問題文をよく読むとか、見直しをするとか言いますが、それをいつやるのですか?
次のテストですか?
それでミスはなくなるのですか?
という話ですね。
ここで問題なのは、「うっかりミス」を不正解の原因としてしまっていることです。
「うっかりミス」は症状の一つであって、根本原因ではないのです。
対症療法は根本治療にはなりません。
熱が出たから解熱剤を飲むというようなものです。
「解き直したら合っていた」というのは、ミスが発覚した後の話です。
テスト中は間違っているとは思っていませんし、見直しをしても気づいていなかったりします。
言われたらわかるというのは、言われてもわからないよりはマシですが、言われないと自分ではわからないわけです。
テスト中に言ってくれる人はいないので、根本的な解決策にはなりません。
というわけで、解決策もないのに反省会をやるのはあまり意味がないということです。
落ち込んでいるのを励ますだけなら残念会ですし、怒るだけなら説教会なのです。
今後どうしたらいいかを考えていくのが反省会だとするのなら、そんな反省会こそ反省会をすべきです。
弱点対策
苦手科目、苦手単元の復習をしようと考える人も多いと思います。
しかし、ここで気をつけなければならないのは、本当にそれが苦手単元なのかどうかということです。
点数が取れない=苦手単元と考えてはいけないのです。
正答率が低い単元というのがあります。
誰がやっても難しい単元です。
算数の「速さ」、「割合」、「図形」などは苦手とする人が多い単元だと思います。
しかし、すべてが難しいわけではなく、その中でも簡単な問題もあり、難易度の高い問題もあります。
難易度の高い問題は誰がやっても難しいので、それが出来ないからといって苦手と決めつけるのもよくありません。
正答率で考えるのが一般的ですね。
正答率が高いのに不正解が多い単元は比較的に苦手単元と考えてもいいと思います。
単元による好き嫌いというのもあると思います。
ふつう、苦手な単元は嫌いで、得意な単元は好きになる傾向があります。
しかし、嫌いな単元でもテストでは点数を取れたりしますし、好きな単元でも難問が出題されれば点数を取れないことがあります。
ですから、好き嫌いによって得意・苦手の分類をするのはあまり的確とは言えません。
正答率が低くても得点できる単元⇒得意単元
正答率が高くても得点できない単元⇒苦手単元
と考えてみるといいと思います。
好き嫌いは関係ありません。
また、科目とか分野で大雑把に分けるのもどうかと思います。
算数苦手とか、生物苦手とか、地理苦手なんていうのはあまりに雑すぎます。
それだけで苦手なのはわかりますが、もう少し単元別に見ていくと、苦手分野の中にも得意単元もあったりするのです。
弱点対策というと、苦手なところを復習するというのが一般的です。
しかし、苦手なところばかりやるのは苦痛でしかありません。
昭和時代には「ピーマンが嫌いな子にはピーマンばかり食べさせる」なんていうショック療法みたいな考え方が主流でした。
「食べているうちに好きになる」とか、「ピーマンしかなければピーマンを食べるしかない」という理屈です。
「泳げない子は海に放り込む」というのです。
死にたくなくてもがいているうちに泳げるようになるらしいです。
私の父はそうやって泳げるようになったらしいのですが、実際に泳いでいる姿を見たことは一度もありません。
そういう無茶な勉強方法も効果が出るのならいいと思います。
ですが、効果がないにも関わらず続けているのなら反省会ですね。
苦手単元を克服すると、また次の苦手単元が出てきます。
これは満点近い点数を取り続けるようになるまで永遠に続きます。
イタチごっこですね。
ですが、苦手なところとかを人から指摘されるのはものすごく嫌なものです。
むしろその人の方が苦手と言っても過言ではありません。
親子喧嘩が絶えない人はダメ出しの仕方に原因があるのかもしれません。
どうして点数が取れないの?
「どうして点数が取れないの?」と子どもを詰める親をたくさん見てきました。
そのあとでこっそり「それがわかってたらもっと点数取れる」と愚痴る子どももたくさん見てきました。
あまり出来ない理由を考えても仕方がありません。
答えはわかりきっているのです。
実力が足りないのです。
知識や経験が不足しているのです。
ではなぜそんな愚問を繰り返すのかというと、その答えが聞きたいからではないのです。
むしろ、まともに答えたら余計怒られるパターンですね。
クレーマー対応と一緒です。
とりあえず相手の怒りが収まるまで黙って耐えるか、ひたすら謝り続けるしかありません。
点数を上げたい人は、逆にどうやったら点数が取れるかを考えなければなりません。
といっても、”取れなかった点数”を取る方法を考えてもわかるわけではありません。
今回取れた点数がなぜ取れたのかを考えるのです。
「どうしてこの問題が正解できたのか」を考えていけば、何かが見えてくるはずです。
・簡単だったから
・たまたま知っていた
・適当に当てはめた
・偶然
適当とか偶然という運の要素は排除して考えると、単純に「知っている問題」は解けるということです。
カードゲームでいうと、単純にカードをたくさん持っている人が有利になるゲームなのです。
上位レベルになるとみんなたくさんカードを持っているので、それだけでは勝てません。
テストには出題範囲というのがあります。
基本的には今まで習った範囲です。
復習テストなら宿題範囲です。
公開テストになるとクラス帯によっては習っていない内容も含まれます。
しかし、今までに習った全範囲を復習してくれば7~8割くらいは取れるはずです。
それで偏差値60を超えます。
実力テストというのは、今までに習った範囲がどれだけ身に付いているかを調べるテストなのです。
※ 塾に通い始めたばかりの人は不利になります。
これさえ合っていたら
「あと〇〇点とれたら偏差値□□」
「あと〇〇点で △判定」
最近は成績表にそんな夢みたいな話を書くのが流行っています。
その「あと○○点」が取れないんです。
もちろん取れるなんて一言も書いてありません。
「もしも」の話です。
よく人を騙すときに使うトークです。
塾としては子どもを騙してやる気にさせようとしているのだと思います。
つまり”コドモダマシ”なのです。
「本当は合っていた」
なんて言う子がいます。
もし、そんなセリフを聞いたらきちんと教えてあげて下さい。
本当は間違っていたということを。
「うっかりミス」
テストの採点は基本的に〇(正解)、×(不正解)、△(減点)の3種類です。
したがって、うっかりミスというのは存在しません。
点数が貰えなかったのなら×(不正解)です。
採点ミスはたまにあります。
出題ミスは全員正解扱いとなります。
テストによっては×を不正解、無回答、ケアレスミスの3種類に分類する場合があります。
塾のテストではあまりそこまでしません。
ただし、ケアレスミスは解答欄間違い、記入ミスなどで、計算間違いや問題文の勘違いなどは含みません。
みんないろいろな言い訳を考えますね。
言い訳さえなかったら・・・。
反省会の反省会
反省会をするなら次回の結果につながるような内容でなければなりません。
・根本的な原因を考える
原因がアバウトすぎると対策もアバウトになります。
対策可能な原因を見つけなければ解決には繋がりません。
そもそも無理な目標設定をしていたら原因も何もありません。
・効果的な対策を考える
なぜその対策で効果が出るのか根拠が必要です。
根拠がなければ根性論になります。
子どものモチベーションにつながる大事な部分です。
・次回までのプランを見直す
前回より勉強時間を増やすことを強要するプランは成功率が低いです。
1ヶ月でどうにかなるとは思わない方がいいです。もっと長期計画で。
大人のシャーペン(製図用)