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合格速報を深読みする

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首都圏の入試まであと1週間ですね。

さて、近畿圏では早くも大手塾の合格速報が出始めました。

気になって仕方がないという人もいると思います。

今年終了した人たちは自分たちの頑張った結果を、そしてもうすぐ受験学年となる5年生は来年への期待を込めて合格速報を眺めていると思います。

まだ出ていない塾もありますが、今週中にはだいたい揃ってくると思います。

 

さて、そんな合格速報を見るにあたってぜひ知っておきたい知識を紹介しましょう。

※知らない方が幸せな場合もあります。

 

 

合格速報

合格速報というのはあくまでも速報で、今後まだ合格者数が増えたりする可能性があります。

また、現時点では主に最難関校、難関上位校など一部の学校に限られている場合があります。

今後は何度も速報がアップデートされていって、最終的に確定値が出るのはまだだいぶ先ですね。

 

特に灘中の合格者は今後増える可能性が高いです。

というのも、これから始まる首都圏の入試(特に開成)の結果次第で追加合格が出るかもしれないからです。

今年の灘中の合格者数は255名ですが、そのうち関東が70名、中部が17名、九州が11名、その他自宅通学不可能圏が5名です。

最終的な入学者が185名くらいになるとして、約70名が抜ける計算になります。

もちろん近畿圏でも灘を蹴って他の中学に入学する人もいます。

学校側の読みとしては最低でも70名くらは入学辞退するだろうということですね。

昨年と比べて志願者数が減っているにも関わらず、合格者数が増えた理由は地域別の受験者数によるものだと思われます。

近畿、中国、四国で受験者数が合計61名減っているのに対して、それ以外の地域で合計26名増えています。

地域ごとの歩留まり(入学率)は過去のデータを参考にしていると思いますが、入学予定者が180名になるように絶妙な合格ラインを計算しているのだと思います。

しかし、入学者が多くなりすぎるリスクを回避しようとするとやはり繰り上げが少し出るくらいの合格者数を狙っているかもしれません。

開成中学の合格発表が2月3日、合格者説明会が2月11日、入学辞退した場合に施設拡充資金12万円が返還されるのは2月28日までです。

一方、灘は2月6日の入学予定者説明会に欠席すると入学辞退、2月15日までに入学辞退すると施設費25万円が返還になります。

 

灘の追加合格が大量に出た場合、併願校に影響が出る場合があります。

洛南、東大寺、西大和などに入学手続きを済ませている人が灘繰り上げ合格で入学辞退する可能性があるからです。

それでもし入学予定者が定員を割った場合に追加合格が出る可能性があります。

 

ちなみに洛南に専願切替した人は辞退できないのでは?と思う人もいるかもしれません。

専願志望者とは、「他校を受験してもよいが、合格すれば本校へ入学することを出願時に約束 した人」をいいます。

と、募集要項に書いてあります。

ですが、

所定の期日に手続きをされない場合は合格者資格を取り消すことがあります。

という文章もあるのです。

合格者資格が取り消されたら約束もなかったことになりますね。

知らんけど。

 

塾を通して切替した場合は塾の先生が謝りに行くことになります。

 

 

追加合格(繰り上げ合格)について

正規合格とか補欠合格という話が出てくることがあります。

しかし、近畿圏には補欠合格という制度はありません。

したがって繰り上げ合格は正規の合格です。

 

首都圏の補欠合格というのは、繰り上げが出る場合には補欠合格者の中から繰り上げますというシステムで、補欠合格の時点ではまだ入学資格はありません。

 

 

H学園の合格速報

みなさんの大好きなHの実績ですね。

最難関校と難関上位校の速報値(第1弾)が出ています。

その中で気になるワードをピックアップしてみましょう。

 

4年連続90名突破!

灘中合格実績ですね。

4年とか90名とか何となく中途半端な気がしますね。

でも、これはいろいろな事情があるのでしょう。

実は5年前の合格者は82名でした。

4年前、3年前は100名を突破したのですが、昨年と今年は90人台です。

これを80名突破とすればもっと長い期間連続していることになるのですが、80名だと少し物足りなさを感じますね。

そんな妥協点が90名なのでしょう。

 

・過去最高

大阪星光の合格者数が過去最高記録でした。

100名を超えたのが昨年で、それまでは100名未満でした。

大台の100名にこだわって”2年連続100名突破!”なのでしょう。

 

・22年連続40名突破!

最近、人気が落ちてきた神戸女学院ですね。

受験者数が減っているので合格者数も減っています。

かつては50名以上の合格を出し続けていたのですが、一昨年に45名、今年が44名なので22年連続にするには”40名突破!”しかなかったのでしょう。

 

・昨年比133%

甲陽の合格者数は3年前に99名までいったのですが、昨年は68名まで激減しました。

60名突破!なら10年連続ですが、それでは格好がつきません。

そこで開き直って昨年比を出してきたのでしょう。

 

・内部5名を含みます。

洛南合格者数の中に小学校からの内部進学を含んでいる塾は”内部を含む”と表記していたりします。

逆に”内部を含まない”と言っている塾は単純に洛南附属小の生徒がいなかっただけなのだと思います。

 

 

N学園の合格速報

N学園は関西と首都圏でそれぞれ合格実績を出しています。

関西の合格速報には塾生数(男女内訳)が明記されているのでその中での実績なのでしょう。

ただし、関西のみの合格者数とは書いてないので詳しいことはわかりません。

それが関西の塾生数なのでしょうか?

 

・最高得点合格者

灘中は合格者も自分の点数を教えてもらえます。

それを塾に報告すれば、学校の発表する最高得点と照らし合わせて最高得点合格者かどうかがわかります。

人数は不明なので、一人で全部取ったのかどうかはわかりません。

たまに他塾でも最高得点合格者が出たりするので塾の掛け持ちかと噂になったりしますが、最高得点は1名とは限りません。

また、複数の塾を掛け持ちしている場合はどちらの塾でもカウントされます。

 

・入試全体合格率と塾生合格率

全体合格率というのは合格者数÷受験者数を計算しているのだと思います。

入試は出願すれば誰でも受験できるので、入塾テストやコース受講資格のある大手塾の合格率は全体合格率より高くなるのがふつうです。

ただし、塾からの受験者数が少ないと数値のブレが大きくなってしまいます。

塾生合格率を出していない学校に関してはわかりません。

塾の入試問題分析会などで詳しく教えてもらえると思います。

 

基本的に生徒数が少ない塾だとどうしても合格者数では勝てません。

そこで合格率で勝負しているのでしょう。

ちなみにN学園のA判定は合格可能性85%の数値なので、他塾より合格率が高くなる傾向にあります。


・塾生合格率とコース生合格率

微妙に使い分けていることに気付いている人も多いと思います。

これはこの塾に限らず塾業界全体の常識なので知っておきましょう。

東大寺・洛南男子の合格者数は灘コースの生徒が稼いできます。

洛南男子は切替専願、つまり灘落ちの生徒が合格者数を稼ぎます。

甲陽の合格者数は基本的に甲陽コース生の実績です。

西大和男子は灘コースと東大寺コース上位層が稼ぎます。

大阪星光の合格者数は東大寺コース生が稼ぎます。

洛南女子・西大和女子・四天王寺医志の合格者はだいたい同じ顔ぶれです。

 

 

S(ピー)Xの合格速報

灘中の合格実績は関東勢が稼いでいます。

東大寺、洛南、甲陽、西大和、星光、洛星の実績はだいたい近畿圏の生徒の実績だと思います。

 

近畿圏の生徒の灘中合格者の人数は、他塾の合格者数の割合から考えて東大寺合格者数の6~7割程度になると推測されます。

 

 

 

今後、他の塾の合格速報も出てくると思います。

また何かネタがあったら続編を書くかもしれません。

 

 

 

 

 

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