太郎君と花子さんのクラスは40人で、通学に電車を利用している生徒が30名、バスを利用している生徒が20名でした。これについて以下の太郎君と花子さんの会話を読みなさい。
太郎 「電車利用30名とバス利用20名を合計すると50名になるね。」
花子 「合計が40を超えるなんて絶対おかしいわ。きっと水増ししてるんだわ。でなければそんなキリのいい数字になるはずがない。」
太郎 「それは偶然だと思うよ。」
花子 「いいえ、おかしいわ。きっとあとから人数が増えてくるんだわ。」
太郎 「ということは両方利用している人は最低でも10人だね。」
花子 「ほんと最低だわ。きっと忍者がいるのね。電車に1駅しか乗っていなくてもカウントしているんだわ。」
太郎 「1駅でもお金を払って電車に乗っているのなら正規乗車だね」
花子 「そんなのわからないわ。阪大生のバイトの子が交通費を請求するのにモノレールを利用しているようなものかもしれないわ。」
太郎 「本当に利用しているなら合法だよ。むしろバイトの通勤に通学定期を利用するほうが鉄道会社の規約に違反しているね」
花子 「でもバスに1時間乗っていて電車が5分だったらメインはバス通学だと思うわ。バス通学でカウントすべきだわ。」
太郎 「どちらも利用していない人もいると考えたら、両方利用している人は最大で20名になるね。」
花子 「そんな遠いところを歩いて通うなんて考えられないわ。」
太郎 「いや、学校の近くに住んでいる人もいるんだよ。」
花子 「じゃあ、本当は何人が電車通学で、何人がバス通学かはわからないっていうことね。」
合格速報
さて、近畿圏の大手塾の合格速報が一通り出たようです。
みなさんが気になる灘中の合格者数(1月26日時点)をそれぞれ見ていきましょう。
浜学園 91名
馬渕教育グループ 65名
希学園(関西) 47名
希学園(首都圏) 5名
SAPIX 32名
日能研 40名
ワオ・コーポレーション 10名
アップ教育企画 7名
早稲田アカデミーグループ 45名
太郎 「合計すると342名になるね。学校が発表した合格者数は255名だったよ。」
花子 「合計が255名を超えるなんておかしいわ。きっと水増しよ。」
まだ、英進館、四谷大塚の合格実績が出ていません。
※浜学園
浜学園、駿台・浜学園の塾生の合算
※馬渕教育グループ
馬渕教室・中学受験コース、馬渕教室・個別指導、馬渕Webスクール、関西圏外生コース、提携塾(早稲田アカデミー)
※ワオ・コーポレーション
能開センター・個別指導Axis・Axisオンライン
※アップ教育企画
進学館、個別館、E-Lectureなど
※早稲田アカデミーグループ
早稲田アカデミー、SPICA、個別進学館、ExiVなど
※日能研
日能研、日能研関東、日能研関西、日能研東海、日能研九州の5社で全国153教室です。
本当の人数が知りたい
本当の人数が知りたい方は各塾Webサイトの合格実績を確認してください。
今後追加される可能性があります。
基本的に各塾は景品表示法に違反しないように合格者数を集計しています。
ポイントとしては、
・入塾金を払い、入塾手続きをおこなって受講している
・一定期間、または一定時間数以上受講している
・グループ全体の合格者数を合算するときはその旨明記する
・模試、講習会のみの参加は含まない
といったところですね。
授業料を払って授業を受けているのなら塾生です。
メインがどの塾なのかは関係ありません。
塾側は自塾の塾生数をカウントしているだけなので、他塾との併用などは一切考慮していません。
したがって、同じ生徒が複数の塾の合格実績に入っていても何ら問題はありません。
たまに受講しておきながら塾の合格実績に入れて欲しくないなどと言う生徒がいるようですが、合格者数にカウントするのは塾側の権利ですし、おそらく入塾時に書類等で何らかの同意をしているはずです。
氏名掲示等はまた別の問題です。
塾の合格実績は景品表示法が適用されます。
管轄するのは公正取引委員会です。
塾側は調査が入っても提示できる証拠(入塾手続き書類等)を揃えていると思います。
高校入試とかだと合格者数をめぐって裁判沙汰になっている塾もありますね。
塾を誹謗中傷する発言は名誉棄損になる可能性があります。
掲示板等への書き込みは十分に注意を払い、自分の責任を自覚しておこないましょう。
灘合格者の3分の1くらいは複数の塾(大手塾と系列個別指導・家庭教師)に在籍している計算になります。
その他の中小塾、個別指導や家庭教師は不明ですが、利用している家庭は多いと思われます。
ちなみに灘合格者数を集計するにあたって馬渕教室、早稲田アカデミーやSPICAの人数を合計すると同じグループ内での重複カウントになってしまいます。
合格者の内訳(コース別、校舎別など)が知りたい
各塾の説明会に参加するのがいいと思います。
志望校別コース内の合格者数、Web生の合格者数、校舎別合格者数などは各塾で問い合わせたら教えてもらえるかもしれません。
※教えてもらえない場合もあります。
前回の記事でも触れましたが、東大寺、洛南、西大和、大阪星光などは複数の志望校別コースの合格者の合計です。
どのコースから何名合格したのかは塾で聞いて下さい。
近畿圏の中学受験塾業界は入試が終わってしばらく休みに入るので、今問い合わせてもわからないかもしれません。
新年度が始まったら説明会等で話を聞けるかもしれません。
最後に
塾の合格実績や合格率は今年の入試結果であって、来年度以降に受験されるみなさんの合格可能性とは直接の関係はありません。
みなさんの合格可能性はみなさんと努力と結果(偏差値)で決まります。
合格者数や合格率がトップの塾に入塾したからと言って、みなさんの合格可能性が上がるわけではありません。
サイコロを振って1の目が出る確率は6分の1ですが、これはすべての面が等しい確率で出るという前提条件での話です。
みなさんの学力が全員等しいのであれば塾の合格率がみなさんの合格率になりますが、実際には生徒一人ひとりの学力は異なります。
合格率の高い塾は志望校別コースの受講基準が高いということです。
合格者数の多い塾はその学校を志望する受験生が多く集まっているということです。
ずば抜けた実績を出していなくても、志望校別に対応したコースや講座があって、合格者数が出ている塾に通っているならあとはみなさんの努力次第です。
これは中学校についても同様のことが言えます。
大学実績がいい学校に入学したからと言って、いい大学に合格できるかどうかはみなさんの努力次第です。
※大学への内部進学を除く
大手塾に通っていても全員が最難関校に合格できるわけではないということがわかっているのなら、大学実績のいい中学校に入学したからと言って全員が医学部や国公立大学に行けるというわけではないということが実感できると思います。
偏差値の高い学校ほど大学実績がいいのは当然ですね。
塾でも上位クラスの子が最難関校に多数合格しているのですから。
塾や学校がみなさんをだましているわけではありません。
合格実績を自分に都合よく解釈して、勘違いしないように気をつけましょう。
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