「先生、努力せずに結果を出す方法ってありますか?」
「よし、じゃあ考えてみよう」
というわけで、努力せずに結果を出す方法を真面目に考えてみましょう。
当然ながらあまり期待をせずに読んでください。
結果とは
中学受験の世界では「結果がすべて」などと言われます。
この場合の結果とは入試結果、つまり合格・不合格のことですね。
「結果がすべて」なんて考え方は受け入れがたいという人もいるかもしれません。
では、言い方を変えてみましょう。
「終わりよければすべてよし」でどうでしょうか。
こちらの方が好きだという人はきっと悪かったときのことを考えたくないのでしょう。
知らんけど。
さて、入試までにはまだだいぶ時間があります。
ですが、塾に通っていると常に結果を求められます。
・公開テストなどの実力テストの結果
・毎週の復習テストの結果
・1ヶ月間のクラス内成績
・クラス替えの結果
などですね。
で、「とにかく結果を出しなさい」なんて言われるわけですね。
これは子どもにとっては大きなプレッシャーです。
ですが、「結果を出せ」と言われただけで簡単にいい成績が取れるというものではありません。
そこでいろいろ考えた挙句、「結果を出せ」というのはつまりテストの答案や成績表を出せばいいのでは?と考えます。
文法的には間違いはないと思います。
目標数値を掲げられて、それを達成せよということではないからです。
「平均点を取りなさい」とか、「80点以上取りなさい」とか言われるとなかなか難しかったりすることもありますが、「結果を出しなさい」ですから比較的簡単です。
塾講師もよくこんなセリフを名言のように語ります。
「努力すれば必ず結果は出る」と。
はい、出ます。
入試を受ければ必ず合格・不合格の結果が発表されます。
それがどのような結果なのか、また、それをどう受け止めるかは関係ありません。
結果は出るのです。
ということは、努力をしていても、していなくても必ず結果は出るということになりますね。
ただし、最低条件としてテストを受験する必要があります。
それを努力だと考える人にとっては難しい問題ですが、そうでなければテストを受けるだけで誰でも「努力せずに結果を出す」ことが出来ます。
もちろん、それでいい成績を取ろうなんて調子のいい話はないかもしれません。
ですが、「いい成績」というのは絶対的な数値ではなく、あくまで個人の感想の範囲なので、本人が「いい」と思えば「いい成績」なのです。
たとえそれが偏差値40台くらいだったとしても、何の努力もせずに取れた成績だと考えた場合、けっして悪い成績ではないと思います。
少なくとも「コスパ」で考えるとかなり効率のいい結果だと思います。
ぜひみなさんも頑張ってみてください、
と言いたいところですが、頑張ったら努力したことになってしまい、条件に反します。
テストに向けて何もせず、結果もいい成績など期待せず、ただ出てきた結果を受け入れる。
それが「努力せずに結果を出す方法」なのです。
勉強せずに点数を取る
よく成績上位の子やその親が言うセリフに、「そんなに勉強しなくても点数が取れる」というのがあります。
これも同様に考えた場合、「点数を取る」の解釈の問題だと考えることが出来ます。
文法的に考えて、点数を取るためには少なくとも1点以上は必要です。
つまり、1問でも正解できれば点数は取れます。
1問正解するのにそんなに勉強する必要はありませんね。
はい、簡単です。
これが「80点以上」とか「満点」という条件が付いてくると難易度は上がります。
目標点数が高くなるほど勉強量を必要とします。
そんな点数をそんなに勉強しなくても取れる子はさぞかし優秀に違いない、と思いますよね。
ですが、「そんなに」というのはあくまで個人の感想です。
下位帯の人ほど勉強時間を盛る傾向があります。
1時間しか勉強していないのに2時間もやったというと嘘になります。
しかし、1時間40分くらいなら切り上げて2時間と言っても嘘とは言い切れない、と本気で思っています。
ですが、勉強時間なんて決めて勉強しているわけでもないので、「めっちゃ勉強した」と大げさに話を盛るのです。
ところが上位帯の子は違います。
彼らは勉強時間を少なめに、サバを読む傾向があります。
というのも、上位帯になるとみんなそれなりに勉強してくるので、勉強時間は自慢になりません。
「5時間勉強した」なんて言ったところで、みんなそれくらいは”ふつうに”やっているのです。
そこで、同じ勉強量をより少ない時間でこなした人の方が能力が高いというロジックを持ち出します。
5時間かかる内容を4時間で終わらせた人は、他の人よりも25%も能力が高いという計算です。
ですが、さすがに嘘をつくとバレたときに最悪です。
そこで、「そんなに」という表現を活用するのです。
「そんなに勉強していない」と言って5時間勉強している人と、「めっちゃ勉強した」と言って実際は1時間しか勉強していない人が同じテストで勝負をしたら、結果を出すまでもなく勝敗は明らかです。
トップレベルの学校に行くと「1回見たら覚えられる」と豪語する人がたまにいます。
そんな人がテスト前になると問題を何回も見直していたりします。
「1回で覚えられるんじゃないの?」と聞くと、「間違えたら嫌だから確認している」と。
まあ、それ以上は深くつっこみません。
確認するのは大事だと思います。
本当に勉強していないのに高得点を取る子がいた場合、塾講師ならカンニングを疑います。
おそらくみなさんも、お子さんの宿題をチェックしていて、答えしか書いていないのに全問正解とかだったら何かを疑いますよね?
努力とは
「結果がすべて」の世界では努力は評価されないと思っている人がいます。
そんなことはありません。
地道な努力とか、途中経過もちゃんと評価されるのです。
ただし、いい結果が出た場合に限られます。
結果が悪かった場合はそれらがすべて反省材料になります。
つまり、「満足できる結果を出すためにやる全てのこと」を努力と言うわけです。
満足できる結果って何ですか?
満足さえ出来れば結果の良し悪しは問わないのですか?
って言われそうですね。
そこで、明確かつ具体的な目標が必要になります。
例えば塾のテストなら、何点以上、偏差値何ポイント以上、何位以内といった具体的な目標を立てるといいと思います。
その値に関しては各自のレベルに合わせて自由に(柔軟に)決めましょう。
目標はいくつかの段階に分ける方が、達成できなかったときの落ち込み(モチベーション低下)を回避しやすくなります。
例えば、
A目標 80点以上、偏差値60以上
B目標 70点以上、偏差値55以上
C目標 60点以上、偏差値50以上
とか。
塾の模試判定と一緒です。
B判定とかC判定というのはA判定が取れなかった人にショックと挫折感と夢と希望を与えながら、次回に向けて頑張らせていくためにあるのです。
ちなみにD判定は志望校の再考が望ましいということです。
つまり、自分の実力を正しく認識したうえで、実力にふさわしい志望校を選びなおしましょうということです。
簡単に言うと「無理~!」ですね。
志望校判定模試とは、
第一志望校が最悪でもC判定以内に収まるように志望校を選ぶ(併願校はA判定)か、第一志望校がA判定になるような成績が取れるように考えて、計画を立てて、それを実行するか、そのどちらかの選択をしてくださいということなのです。