勉強が嫌いという人は多いと思います。
でも、どちらかといえば勉強が好きな人の方が受験では有利なようです。
では、どうすれば勉強が好きになるのか、どうしても好きになれない人はどうすればいいのかを考えてみましょう。
勉強とは
1.気がすすまないことを、しかたなしにすること。
2.物事に精を出すこと。努力すること。
3.経験を積むこと。
4.商人が商品を値引きして安く売ること。
そもそも勉強というのは、どちらかというとやりたくないことを無理やりやるという意味なのです。
ですから、「勉強が好き」というのは世間一般で考えると「頭のおかしい人」なのです。
つまり、「うちの子には勉強好きになって欲しい」なんていうのは、「うちの子には頭のおかしい人になって欲しい」とほぼ同義語ということになります。
そんなことを言う人はそもそも頭がおかしいに違いありません。
ですが、勉強というのはあくまでも結果を得るための手段でしかありません。
例えば、良い成績を取り、良い中学に入り、良い大学に進み、良い就職をし、良い給料を得るための一つの手段です。
勉強する以外に大金を稼げる能力や才能を持っているというのなら、そこまで学校の勉強をする必要はないかもしれません。
しかし、それで成功するためにはそれに見合うだけの努力が必要です。
それもまた勉強であると考えると、避けて通ることは出来ないのかもしれません。
家から梅田まで行くのに「電車に乗る」というのは一つの手段です。
電車が嫌なら車で行くのもアリですが、時間や費用は電車よりかかると思います。
最も安い方法なら徒歩で行くというのもいいと思います。
離島にでも住んでいない限りは徒歩だけで梅田まで行くことは可能です。
ただしどれくらいの時間が掛かるかは住んでいる場所によります。
電車に乗ることを手段と考えた場合、最も経済的で効率がいいから利用するわけで、当然運賃は掛かりますし電車は好きではないという人もいるでしょう。
特に通勤・通学時間帯の満員電車なんかは乗りたくないと思っている人がひしめき合っているのです。
そんな中にも電車が好きで毎日乗るのが楽しいとか、無駄に各駅で降りて時刻表を集めたりするマニアな人たちもいます。
頭がおかしいとは言いませんが。
趣味の世界は奥深いのです。
勉強好きの特徴
「勉強が好き」という人でも、よくよく話を聞いてみると特定の科目だけ好きとか、特定の分野・単元だけ好きという人が多い気がします。
例えば「算数が好き」な人の場合、高い確率で国語は嫌いだったりします。
「算数が好き」と言いながらも、好きなのは平面図形で、計算問題は嫌いだったりもします。
では、何を根拠に「好き」になるのでしょうか?
・テストで高得点(高偏差値)が取れる
・問題が人より速く解ける
・それによって他人から良い評価が得られる
・問題を解くのが楽しい
といった特徴が見られます。
一般的に難しいと言われる問題を素早く解ける人ほどその科目、分野を好きになる傾向が見られます。
ですが、簡単過ぎる問題や周りとの差がつきにくい単元はあまり面白くないようです。
反対に嫌いな科目、分野の場合、
・問題がスラスラ解けない
・すぐに理解が出来ない
・点数が取れない
・解くのに時間が掛かる
・なかなか覚えられない
という特徴が目立ちます。
記憶、計算などの単純作業が多い問題、やたらと手間と時間のかかる問題、ややこしくて正解しにくい問題は嫌いになりやすいようです。
また、時間を掛けた割に成果に結びつきにくい科目、分野は嫌いになる傾向が強いです。
ということは、特定の科目、分野を好きになろうと思ったら、
・比較的労力が少なくてコスパがいい、あるいは掛けた労力が結果に反映されやすいこと
・塾内、クラス内において相対的に良い成績が取れること
・結果が周りから評価されやすいこと
・それらに対して十分な満足が得られること
などが必要条件となりそうです。
つまり、それを満たすような努力をして結果を出せれば好きになる可能性が高いということです。
「勉強好き」が陥りやすい罠
勉強が好きな人は勉強が苦痛だと感じにくくなります。
ある種の中毒症状や依存症かもしれません。
ですが、満足が得られなくなってくるとある日突然勉強が嫌いになることがあるのです。
中学受験で頑張って、第一志望の最難関校にめでたく合格したにも関わらず、そこから急に勉強をしなくなる人がけっこういます。
大きな目標を達成した瞬間は喜びに満ち溢れていたのですが、そこで目標を見失ってしまうのです。
次の目標は6年後とか言われても、あまりに長すぎて、もう一度同じ苦しみを続けていくのが嫌になってしまうのです。
しばらくゆっくりしようなんて言っているうちに学力は下がっていき、今までのような結果が出せなくなってきます。
順調に勉強を続けている人でも、今までとは環境が変わります。
塾では上位をキープしていたのに、中学からはその上位層だけになってしまうので、相対的に順位を上げにくくなるわけです。
トップ層は相変わらずですが、ギリギリで合格するときついというのはそういうことです。
自分より下の層がいなくなるので、急に勝てなくなるのです。
それが精神的にきつくて、勉強が嫌いになってしまったりします。
塾でも同じ現象が起きます。
クラス内トップの成績で上のクラスに上がり、最高のテンションで勉強しているにも関わらす、急に平均点にすら届かなくなります。
得意だったはずの科目ですら、”相対的に”苦手科目になってしまうのです。
それが2ヶ月も続くとクラス落ちです。
ですが、下のクラスに行くとまたトップの成績を出します。
で、それを繰り返している人も一定数はいるのです。
「勉強が好き」な人は「親が言わなくても自分で勉強する」というイメージがありますが、それはあくまでも勉強が楽しいからであって、「勉強が嫌い」になった瞬間に明らかに勉強量は減ってきます。
で、一度嫌いになると再び好きになるにはかなり大変です。
また、特定の科目が好きな人はその科目ばかり勉強していたり、相対的に見て勉強時間が好きな科目に偏りがちです。
最難関中や国立大学を目指していくためには全科目満遍なく出来ないと困るわけです。
「算数が好きだから将来は数学者になりたい」というのであれば、東大・京大くらいには行かないと厳しいですし、そのためには他の科目も出来ないと話になりません。
海外の大学に行くなら英語が英語圏の人よりも出来ないと勝負になりません。
「好き」を貫くのならそこまでの覚悟を持っておかないとダメなのです。
マニア(勉強オタク)を極めていかないといけません。
本当に「頭がおかしい」と言われるレベルを目指しましょう。
勉強嫌いの人はどうすればいいか?
私はどちらかというと「勉強が嫌いな人」の方が世の中に出てから役に立つと考えます。
もちろん、「勉強が嫌い」だからといって「勉強をしない」というのでは話になりません。
「勉強が嫌いでも、仕方がないから無理して頑張る」能力を身につけた人こそが最強なのです。
将来、好きなことを仕事に出来る人は少ないと思います。
また、好きな仕事に就いたとしても、必ずしも好きなことだけしていればいいというわけにもいきません。
好きなことをするには、それなりに嫌なこともやっていかなければならないでしょう。
そんなときに、「嫌いなことも頑張れる人」は強いのです。
大学受験で言うと国立タイプの人ですね。
ちゃんと副教科の共通テスト対策も真面目に出来る人が生き残るのです。
「人が嫌がることを進んでやる」
学校で言われるのは、「みんながやりたくないことを志願してやる人が偉い」というニュアンスです。
なんかすごく学校に都合のいい人物像ですね。
※もちろん”人に嫌がられること”を進んでやるのではありません。
ですが、そういう人物が会社でも出世しやすいとは思います。
自分から率先して動くとそれだけ責任も大きくなりがちですが、責任を取る人が責任者だと考えれば、そういう人がそういう立場になりやすいということです。
別にそんな模範的な人物になれということではありません。
人が嫌がってやらない勉強を、自ら進んでやる人間になればいいのです。
これは自分のためになります。
学校では学級委員なんかを押し付けられる可能性が高くなりますが、それだけ高く評価されていると思っておけばいいでしょう。
ちなみに親にもPTA役員の仕事が回ってきますが、そういうのはなるべく学年が低いうちにやっておくといいと思います。
高学年になってから回ってくると面倒です。
ただし、有能な人は翌年も声が掛かるので断り切れなくなる場合もあります。
まとめ
というわけで、別に「勉強が嫌い」でもいいんです。
むしろ下手に「勉強が好き」だけど飽きっぽいとか、特定科目に偏るとか、挫折しやすい人は注意が必要です。
一度嫌いになると取り返すのが大変かもしれないのです。
それよりも、むしろ「勉強が嫌い」だけど仕方がないから頑張るタイプの方がいいのです。
好きなものは放っておいても勝手にやるものですが、嫌いなことを頑張れるかどうかが人生を大きく左右するのです。
だから私は「勉強を好きになれ」とは言いません。
でも、「やらないといけないことはやった方がいい」とだけ言っておきます。
今やらなくて済んでも、結局あとでやらないといけないのであれば、先にやっておいた方が絶対的に有利だからです。
同じことを何回もやるのは嫌かもしれませんが、何回もやった人の方が確実に実力はつきます。
ギリギリになってから慌ててやるとだいたい上手くいかないものです。
「今はやりたくない」というときが一番やるべきタイミングです。
「今は考えたくない」というときが一番考えるべきタイミングです。
「今は休みたい」というときが一番頑張るべきタイミングです。
逆に、
「もっとやりたい」というところで休憩を入れるのが理想ですね。
もうすぐ9周年を迎えます。