夏期講習もいよいよ終わりが近づいてきました。
もう夏休みが終わる人も、まだ1週間残っている人も、受験学年にとってはこれからが最後の追い込みになります。
9月以降は時間の経ち方が少し早く感じるようになります。
残り日数が100日を切ったあたりから猛スピードで時間が過ぎていく感覚を味わうことになると思います。
とにかくやることが多くなるんですね。
9月以降の大まかな流れ
2学期が始まります。
秋は運動会やら、音楽会やら、修学旅行やら、学校行事が目白押しです。
現在の状況を見ていると、中止になったり、延期になったりするイベントもあるかもしれません。
特に運動会は練習期間が長かったりするので、地味に体力を削られますね。
疲れて勉強が出来ないなんてことにならないといいのですが。
塾は通常授業に加えて、志望校別特訓が本格化します。
学校別に分かれて、より難易度が高くなっていきます。
通常授業は科目にもよりますが、これからは総復習に入っていく時期ですね。
復習といっても今までと全く同じことをやるのではなく、難易度が一段階上がると思った方がいいです。
下位クラスは今までやってこなかった応用・発展問題が、基本問題に降りてきます。
志望校別特訓は夏期講習期間中にやっていたことが基本レベルだとすると、そこから一段階レベルが上がります。
最難関コースで上位校を目指す人はさらに難易度が上がります。
内容的には12月まででもう一度各教科の全分野・単元を満遍なく復習する形になるかと思います。
冬休みは入試直前特訓で総仕上げとなります。
通常授業、志望校別特訓、入試直前で全分野・単元を3周まわす感じだと思ってください。
学校説明会、見学会が秋になると増えてきます。
特に難関レベルの学校はこれからが生徒集めの重要な時期なのです。
例年は5年生までに見学を終わらせている人がけっこう多いのですが、昨年度は中止になったり、6年生のみという状況だったりしたので、今年初めて参加するという人も多いのではないかと思います。
塾の授業を休んでまで行く必要があるかどうかよく考えて行動しましょう。
ただ、今後の状況次第ではオンラインになったり、中止になったり、予約制になったりするかもしれません。
過去問をやり始める時期ですね。
第一志望校6年分+第二志望校3年分+その他併願校1年分と考えると、軽く10年分くらいやらなければなりません。
だいたい1週間に1年分進めたらいい方だと思ってください。
3科の学校でも1年分解くのに約3時間、間違い直しとかまでやるとその倍くらい掛かります。
2日入試の学校や4科受験の場合はもっとかかります。
まとまった時間は取りにくいので、塾の休みの日に少しずつやるとしても1週間に1年分進めばいい方だと思います。
10年分なら最低10週間、その間に学校行事とか説明会なんかが入ったりするので、3ヶ月は掛かります。
冬休み中は朝から晩まで塾なので、タイムリミットは冬休みが始まるまでです。
ということは、逆算すると9月中旬くらいから始めておかないとかなりギリギリになってしまうということです。
20年本?
今からはもう無理だと思います。
もし学級閉鎖とか、感染とかで2週間くらい休みが出来たら考えましょう。
優先順位
塾では「優先順位を考えましょう」とか言いますね。
優先順位を考えなければならない人というのは、宿題が回らない人です。
そして、優先順位を考えるということは取捨選択をするということで、つまり何かを切り捨てるということになります。
その結果として、獲得できるはずの学力を多少犠牲にするということなので、目指している学校のレベルによってはかなり厳しい状況になります。
志望校別特訓>通常授業>最高レベル特訓
というようなことを言われるかと思います。
クラス帯やコースによっては多少順番が変わります。
「とにかく志望校別特訓を全力で」とか言われるのですが、これが全員に当てはまるかというと必ずしもそうとは限らないので注意が必要です。
最難関レベル、難関上位レベルの学校を目指す人にとって通常授業の内容は志望校別特訓に比べて易しく、基本的な内容になります。
基本だけでは足りないので、志望校別特訓に力を入れて欲しいということなのです。
しかし、最難関コースの資格がギリギリ取れたというレベルの人の場合、けっこう基本が抜けている可能性があります。
あるいは、偏差値は取れているけど、正答率の高い問題をよく落とす人の場合も、基本がかなり怪しいです。
※ 基本と言っても必ずしも易しいとは限りません。入試に頻出するという意味で捉えてください。
そういう人の場合、いくら時間がないからと言っても、通常授業を受けるのをやめたりすると致命傷を負うことがあります。
第一志望校だけではなく併願校も危なくなる可能性があるのです。
上位クラス帯になると、通常授業を休む子の割合が高くなってきます。
11月くらいになるとクラスの3~4割が欠席なんてこともあるのです。(国語、理科)
※ 算数は出席率が高いです。
単元によって出席したり欠席したりする人もいます。
そのレベルになるとテキストの問題がスラスラ解けてしまうので、わざわざ授業を受ける必要がないということなのです。
で、塾を休んで何をしているかというと、家で過去問をするか、個別指導に通ったり家庭教師をつけて何らかの対策をしていたりします。
塾で過去問の質問が出来ないので指導して欲しいなんていう話が毎年来ます。
通常授業の宿題が回らないというレベルの子が塾を休むと危険です。
家で自力でどうにか出来るとは到底思えません。
そういう場合は通常授業の宿題を優先した方がいいかもしれません。
もちろんその前に家での勉強時間を増やす努力をした上での話です。
志望校別特訓のコースを下げられるのなら下げた方がいいかもしれません。
それは志望校を下げることを意味しますが、このまま無理をすると併願校も厳しくなるかもしれません。
それよりは併願校を第一志望校に繰り上げて、統一日で合格を狙う方が安全です。
それが嫌なら何とか頑張って宿題を終わらせるしかありません。
志望校別コースの上位にいるなら優先順位とかあまり考えなくてもいいと思います。
全部やればいいだけなので、どれから始めても一緒です。
授業日のタイミングを考えて、宿題をやる日や過去問をやる日を決めるといいと思います。
それよりも、全部終わったときに何をするか決めておかないと時間が無駄になってしまいます。
優先順位をつけるというのは「トリアージ」なんです。
赤、黄、緑、黒のタグをつけていくということです。
何かを削らなければならない状況に陥ったとき、それが緑タグなのか黒タグなのかよく考えておかないといけないのです。
できれば削らなくて済む方向で考えていきたいところですね。
大人のシャーペン(製図用)