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2022年度 学校選び その2

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志望校を決めるにあたって偏差値を参考にしている人は多いと思います。

というより、最初から偏差値で学校を選んでいる人もいますね。

 

その偏差値というのはもちろん塾の偏差値表のA判定偏差値のことで、同じ学校でも塾によって偏差値が異なります。

これは母集団(その塾全体)の学力の平均値が異なるためです。

塾の指導力というよりは、入塾テストのレベルで大きく左右される感じですね。

 

で、偏差値表のA判定偏差値というのはだいたい合格可能性80%のラインを示しています。

A判定の意味を勘違いしている人もいるかもしれないので念のために書いておきます。

A判定偏差値というのは、その偏差値を超える全受験生の80%が合格できるであろうという予測ラインのことで、前年度の結果をもとに塾ごとに決めている数値です。

 

ちなみに合格率が高いと言われる(言っている)希学園のA判定は85%以上となっています。

B判定以下の人が受験を断念すれば、自然と他塾よりも合格率が高くなる仕組みになっています。

 

80%合格するということは20%が不合格になるということで、その不合格者は偏差値が低いほど多くなります。

で、A判定偏差値ギリギリの人が実際どれくらいの確率で合格できるのかというと、私の経験上では最難関校で50~60%、難関校で80~90%(回し合格を含めたら95%以上)くらいになります。

80%合格するということは20%が不合格になるということで、その不合格者は偏差値が低いほど多くなります。

 

本当に80%以上の合格可能性となるのは、最難関校の場合だとA判定偏差値+2~3ポイントくらいだと考えた方がいいでしょう。

 

 

偏差値で比べる

 

偏差値は塾によって異なりますが、今回は日能研のR4偏差値で比較してみましょう。

(日能研は偏差値表を公開しているので遠慮なく使わせてもらいます。)

(日能研以外の塾の人は数値を参考にしないでください。)

 

71 灘

70 洛南高校附属男子(併願)

67 東大寺学園

65 甲陽学院

65 西大和学園男子

64 洛南高校附属男子(専願)

63 大阪星光学院

 

こうやって並べてみると、当然ながら灘がダントツです。

では、それ以外の4校のうちどの学校が一番レベルが高いのでしょうか?

 

洛南併願は70ですが、実際に入学する男子はほとんどが専願(切り替え専願)です。

ですから専願の64が洛南男子のレベルということになります。

 

では東大寺と甲陽はどっちが上?

偏差値上は同じなので甲乙つけ難いですが、甲陽を乙にするのは乙なのでしょうか?

 

灘志望なら、2日目午後に西大和、3日目に洛南か東大寺という人が多いです。

しかし、自信がなければ専願切り替えできる洛南ということになるかと思います。

 

甲陽志望で西大和、洛南・東大寺と受験すると、偏差値はほぼ横並びなので全く押さえが効きません。

最悪の場合「全落ち」しますから、ほかに押さえの併願校が必要です。

 

星光、西大和、東大寺の受験パターンだと、東大寺志望の人には一般的な受験パターンですが、星光第一志望だとかなり苦しくなります。

 

そんな感じで偏差値を見ていくのです。

つまり、合格可能性の判断材料、受験パターンの選別のために偏差値を用います。

 

 

しかし、これを学校比較に用いるには細心の注意が必要となります。

というのも、A判定偏差値は合格最低ラインです。

つまり、その偏差値だと入学時点では学年底辺レベルということになります。

例えば、西大和の偏差値と甲陽の偏差値を比べるということは、つまりは西大和の学年最下位と甲陽の学年最下位を比較するようなものです。

その優劣をつけたところで何の意味があるのかをよく考えなければなりません。

もちろん、みなさんがその位置にいるのなら死活問題です。

 

もう少し上のレベルにいる場合は、学年底辺がどれくらいの位置なのかを知っておくのはいいかもしれません。

偏差値が5ポイントも違えば、塾では1クラスくらい上下します。

でも、下を見て安心してもあまり意味はありません。

最難関校を目指すくらいでしたら、どちらかというと上が気になるところですね。

 

では、上はどれくらいになるのでしょうか。

西大和の場合、併願校として受験する人が多いのはご存じだと思います。

合格者のトップレベルはほとんどが灘に行きます。

2番手レベルだと東大寺や洛南に行く人がけっこういます。

洛南専願は西大和より偏差値は下ですが、併願の偏差値が高いので洛南の方が上だと感じる人もいるようです。

西大和の合格者のうち偏差値67以上は東大寺・灘に抜けると考えましょう。

そうすると、西大和男子は偏差値65以上67以下が最も多くなると考えられます。

甲陽の場合、上位層がどこかに抜けるということはありません。

甲陽トップレベルは余裕で灘合格圏内なので舐めてはいけません。

結論としては、最低ラインは同じでも、入学者の平均で考えた場合は甲陽の方が高くなると予想できます。

 

しかし、西大和には別学とはいえ女子がいます。

西大和女子のR4偏差値は69です。

これは多分、甲陽の平均を上回ります。

で、西大和の男子と女子の平均を取ると、結局甲陽とそれほど変わらなそうな感じになりますね。

残念ながら灘合格レベルの男子でないと女子に太刀打ちは出来ないと思います。

洛南も同様です。

 

 

女子の場合は、

西大和がトップ、洛南専願は2番手ですが、学校のレベルで言うなら男子が平均値を下げてくれます。

せっかく頑張ってトップ校に入ったはずなのに、世間の評価は西大和・洛南=”併願校”ですから腹が立ちますね。

いっそ男子なんかいなければいいのに、なんて言ってはいけません。

女子だけ募集したら今よりも定員が何倍にも増えるので、偏差値は一気に下がります。

もし洛南や西大和が全員女子枠になったとしたら、神戸女学院とそれほど変わらない偏差値になると思われます。

 

学校の偏差値でマウントを取ろうとする人がたまにいます。

何度も言いますが、学年底辺対決は無意味です。

どうせなら自分の偏差値を自慢しましょう。

どちらかというと偏差値ギリギリの人ほど学校の偏差値自慢をする傾向があります。

 

 

 

前期・後期

 

入学後によくある話ですが、入試日程が複数ある学校内でマウントの取り合いが起きます。

どういうことかというと、後期日程で入学した最難関残念組がプライドを保つために、後期日程の偏差値の高さを自慢にするというやつです。

 

55 六甲A

65 六甲B

 

57 高槻A男子

63 高槻B男子

 

B日程で合格した人たちがA日程で合格した人を蔑みます。

自分たちの方が偏差値が上だと。

ですが、A日程合格者の中にもB日程合格者より高い偏差値で合格する人もいます。

入学後に成績が逆転することもよくあります。

何のためにマウントを取ろうとするのかわかりませんが、そんなに勝ちたかったら学年順位で勝負したらいいと思います。

「俺は灘コースにいたからお前らとは違う」なんていう人も、灘落ちを自慢する必要はないと思います。

そんなに悔しいなら大学リベンジを目標にがんばったらいいと思います。

 

高槻の場合、

62 高槻A女子

65 高槻B女子

ですから、やはり女子が強いですね。

A日程ギリギリ男子とB日程洛南残念女子だとさすがに実力差ははっきりしています。

塾でもクラス帯が違いますね。

とりあえず男子は頑張るしかないと思います。
 

 

まとめ

 

学校を偏差値で選ぶ際には合格可能性だけではなく、入学後の立ち位置とかもよく考えた方がいいかと思います。

 

昔から「鶏口となるも牛後となるなかれ」などと言います。

塾で上のクラスに上がれずにずっと苦しい思いをしてきたなんていう人はよく考えてみるといいと思います。

またそれが6年間続くかもしれないのです。

 

逆にクラスが落ちたらクラス内上位になれて気分がよくなったなんていう人も、学校選びは慎重に考えてみるべきだと思います。

 

 


 

 

 

 

 


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