塾に通っている人の多くはクラスを上げたいと思っているようです。
そうでない人でも、少なくとも現在のクラスを維持したいと思っていると思います。
「え?みんなクラスを上げたいと思っているんじゃないの?」
という人に向けた内容の記事になります。
実は「別にクラスを上げたいとは思っていない」という人も一定数います。
すでに最上位クラスにいる人たちです。
すごく回りくどい自慢にも聞こえますね。
中堅クラスにもいます。
特に最難関志望でもなく、すでに志望校が射程圏内にある人にとってはこれ以上負担の増える上位クラスにわざわざ上がりたくないと考えたりするのです。
中には塾側に申し出て、成績上位にもかかわらずあえて中堅クラスに変えて貰うという人もいます。
6年生の後半になると志望校次第でそういう人がけっこう出てきます。
塾はクラスを下げることに関しては割とそのお願いを受け入れてくれます。
ですが、その逆はまずありません。
成績が足りないのに、志望校が最難関校なので上位クラスに入れてくださいなんていうのは原則として相手にされません。
クラスを上げるとは
クラスを上げると言っても、いくつかのケースがあります。
その状況によって対策方法が変わってくる場合もあるので、まずは分類してみましょう。
クラス帯
塾によっては通常の授業が複数のクラス帯に分かれています。
一般的にはアルファベットの記号で分類されています。
V・S・H、T・F、T・Aなどといった感じですね。
聞いただけでどこの塾かわかってしまいますね。
これらの分類を「クラス帯」と呼ぶことにします。
クラス帯の違いとしては、
・毎週受けるテストの出題範囲が異なる
・宿題の範囲が異なる
・それにともなって授業レベル、スピードが異なる
という特徴があります。
組分け
同じクラス帯でも、生徒数が多い場合には1組、2組などと分かれていきます。
ふつう数字が少ない方が上のクラスです。
1組の上に0組なんていうのがあったりします。
コース・特訓講座
最難関志望者のためのコースや特訓講座を開講する塾もあります。
最レ、灘合、灘特、N、α、SSSTなどの名称がついています。
6年生になると季節講習も志望校別に分かれてきます。
志望校別特訓なども始まります。
人数が多ければ、その中で1組、2組などに分かれます。
というわけで、クラスを上げると言ってもいくつかのケースに分かれます。
1.クラス帯を上げる
2.同じクラス帯の中で組を上げる
3.コースや特訓講座の中でクラスを上げる
クラスを上げるための条件
いずれのケースであっても、クラスを上げるための条件は塾によって違いはありますが、明確に決められています。
それがオープンになっているかどうかは知りません。
また、基準は明確であっても、その基準となる点数は変動したりします。
まずは塾のクラス替え基準、受講基準がどうなっているのかを調べましょう。
わからない場合は塾で聞いてください。
組を上げる場合
一般的な話として、同じクラス帯の人たちは同じレベルの授業を受け、同じテストを受験しています。
ということは単純にそれらの点数でクラス替えが行われるということです。
公開テストなどの名称で呼ばれる塾生全員が受験する実力テストと、復習テストなどの名称で呼ばれる授業で習った内容から出題されるテストの結果がクラス替えに関わってきます。
そこでクラスを上げようと思ったら、どのテストで点数を上げるのが最も効果的か、あるいは現実的かと考えなければなりません。
2科目あるいは3科目の合計になると思いますので、どの科目で点数を上げるのかなども考えた方がいいですね。
単純に考えると、授業で習った内容(宿題内容)から出題されるテストというのが一番対策しやすいです。
クラス帯が低いほど出題範囲は絞られますし、テキストの問題に近い形での出題になります。
上位クラス帯になると実力問題が追加される場合もあるので、その場合は対策が難しくなります。
ただし、クラス替えに関しては各校舎の裏事情というのも存在します。
例えばクラスの定員数は教室のキャパや全体のバランスで決まります。
教室のキャパだけの問題なら、教室を変更すればどうにかなる場合もあります。
また、単純に人数だけの問題ではありません。
同じクラス帯でも実力差はかなり出てきます。
公開テストなどの偏差値で見た場合に、クラス上位と下位で3科で10ポイントくらいの差があったりします。
これを2クラスに分けるのなら上位5ポイントと下位5ポイントで分けた方が指導しやすいのです。
その結果、上位の方が少なくなることもあるわけです。
3クラス以上の場合、正規分布に基づいて考えるのであれば中間のクラスが最も人数が多くなります。
実際問題として、下位クラスはなるべく少人数の方が効率よく教えられますし、上位クラスも人数を絞った方がより高いレベルの授業が出来ます。
中間のクラスは割と粒が揃っているので、大人数の一斉授業に向いていると考えることが出来ます。
クラス帯を上げる場合
前提条件としてクラス帯が異なると、普段受けているテストのレベルが異なります。
ですから、その点数を上位クラス帯の生徒と比較しても意味はありません。
単純に考えて、上のクラス帯のテストの方が点数を取りにくいからです。
(なのに実際は上位クラス帯の方が平均点が高かったりします。それくらい実力差があります。)
クラス帯が偏差値で線引きされている塾の場合は公開テストなどの実力テストで決まります。
クラス分けテストを実施している塾ならその結果で決まります。
それ以外の場合は、その校舎での判断になります。
公開テストなどの偏差値、現在のクラス内での順位、上位クラス帯の下位層の成績などを考慮したうえで、何人上げて何人落とすというのを決定します。
原則としては塾全体で統一の基準というのがあるのですが、校舎ごとの都合というのがあるのでそこは微妙です。
人数の少ない校舎の方が基準が緩くなりがちなので、それを狙って校舎を移籍する人もいたりします。
クラス帯を上げようと考えるのであれば、上のクラス帯の生徒と同じレベルの偏差値を取れるようにならなければなりません。
必要条件というわけではありませんが、クラスが上がってもついていけなければ次のクラス替えでまた戻ってしまいます。
宿題範囲も増えるので、それに慣れるためにもあらかじめ上位クラス帯の宿題範囲に慣れておいた方がいいでしょう。
とはいえ、それが負担になって成績が取れないようでは本末転倒です。
そこら辺の見極めが難しいです。
毎回のクラス替えで数名入れ替わっているようであれば、少なくともその人数の中に入れるような順位を取らなければなりません。
そう考えたら、毎週の復習テスト対策(宿題)と毎月の公開テスト対策(総復習)が必要不可欠です。
そこまでやらなくても上がる人もいるかもしれませんが、そういう人は逆に考えると本来の実力よりも下のクラス帯にいたということです。
もしそこに何かの原因があるとしたら、その対策を考えておかないと次も同じクラス帯になる可能性があります。
コースや特訓講座の中でクラスを上げる
特訓講座のクラス替えにも当然基準というものがあります。
公開テストなどの成績、特訓講座のテストの成績ですね。
単科の講座の場合はその教科の成績だけです。
詳細は塾によって異なるので塾で聞いてください。
その中でクラスを上げようと思ったら、やはりクラス替えに直結する成績を上げるための対策を取らなくてはなりません。
同時に通常の授業も受講しているわけですから、そちらも手を抜くことが出来ませんね。
通常授業は他塾に通っている人もいたりします。
特訓講座は基本的にみんな同じテストを受けていると思います。
ただし、宿題範囲が微妙に違ったりします。
下のクラスは「ここまででいい」とか言われて、難しい問題はテストに出ているのにやっていない人もいたりします。
これでは上位クラスは狙えません。
全員同じ条件での勝負で、勝った人(上位の人)が上のクラスになるのです。
ということは、クラスを上げるためには勝たなければならないのです。
コースや特訓講座の受講資格
クラス替え以前に、受講資格がないのでどうにかしたいという人もいると思います。
受講基準となるのは公開テストなどの偏差値や順位だと思います。
それを上げるための方法を考えなければなりません。
受講している人たちは授業や宿題に追われていますが、受講していない人はその時間が空き時間です。
その時間をフルに使って受講資格を取るための勉強をするべきでしょう。
そんな時間がないという人は、仮に受講できるようになったとしても授業を受ける時間も宿題をやる時間もないということになります。
一見矛盾した意見ではありますが、唯一整合性の取れる解が存在するとすれば、「永遠に受講することはない」という結論に至ります。
もし身近な人から「勉強する時間がないんだけどどうしたらいい?」と相談されて困ったときの模範解答を教えましょう。
「あ~、それよくわかるぅ」
「本当だよね~」
「どうしたらいいんだろうね」
相手は勉強する気などなくて単に愚痴をこぼしているだけなので、真面目に返答(マジレス)してはダメなんです。
「勉強しないと無理」なんていう正論は聞きたくないのです。
塾講師は「とりあえず宿題をしっかりやりましょう」、「公開テストの基本問題をしっかりとれるようになりましょう」などとアドバイスします。
「しっかり」って何?って感じですけどね。
「あと〇点取れれば偏差値〇〇になりますよ。」って言うとなぜかみんな納得してくれます。
「どうやって?」と聞かれたら「頑張って」ですね。
マジレスすると、以前の記事で書いた内容の通りです。
前学年の総復習をやってください。
時間がない人は睡眠時間を削ってください。
それが嫌な人は遊ぶ時間(もしくは何もしていない時間)を削ってください。
そんな時間がないという人は一日の行動を分刻みでチェックしてみてください。
まとめ
結局何が言いたいのかというと、クラス上げに関わってくるテストの点数を上げる勉強を最優先しましょうということです。
宿題をやるべきなのか、復習をやるべきなのか、間違い直しをやるべきなのか、弱点対策が必要なのか、それを考えるうえでクラス替えのシステムを理解しておきましょうということです。
個別指導や家庭教師が必要な人は早めに探しましょう。
こだわりのシャーペン