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「わかる」と「できる」2

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上位クラスの子になると、授業を聞いただけで理解できると言う子が増えてきます。

もちろん授業を聞いて理解できないようでは困ります。

ですが、やはり家に帰って宿題をやるとなると、わからないとか言いだすことがあると思います。

この問題は授業でやってない、と。

それって答えを覚えてきてるだけでは?という親の心配どおりに、テストでも落としてきたりするんですね。

でも、あとで解説を見たらわかったから大丈夫、と。

何が大丈夫なんでしょうか?

 

もし成績に伸び悩んでいるとしたらそこが弱点かもしれません。

 

わかるというのは「日本語が理解できる」というレベルかもしれませんし、単に「答えを覚えた」のかもしれません。

そういう子はテストに実力問題(授業やテキストに出てこない問題)になると急に点数が取れなくなったりします。

かといって毎回必ず100点を取る子もあやしいんですけど・・・。

 

 

「わかる」を「できる」に変えるのにはやはり練習が必要なのです。

本人がいくら「大丈夫」だと言っていても、それは「できそうな気がする」だけかもしれません。

それをどこで判断するかというと、やはり結果を見るしかありません。

どんな言い訳をしようが、あとで解説を見たら理解できる問題がテストのときに解けないのは何かが足りないのです。

 

ここでお父さんが登場すると話がさらにややこしくなるかもしれませんが、お父さんたちがよくいうセリフにも一理あります。

「公式ばっかり暗記したってちゃんとそれを理解していなければ意味がない」というやつですね。

 

下のクラスなら丸暗記でいいんです。

大事なのは使いこなせるようにしておくことです。

上位クラスでよく使う公式は中学・高校数学の定理や公式ですから、それを理解させようと思ったらかなり大変です。

でも理解しておきたいものもあります。

中学入試で出題される可能性のあるものだけでいいんです。

 

ではそれをどこで学ぶのでしょうか?

塾の説明会などでは、「こういう問題を解くにはヒラメキが必要です」とか言われます。

そのヒラメキって一体何かと思ったら、どうやら塾では習わない内容のことを言っているようなのです。

知ってたら一瞬で解けるけど、知らないと一生解けないかもしれない問題です。

調べてみたら高校の数学Aで習う定理だったりします。

小学生の知識だけでも解けなくはないんです。

知ってさえいれば。

 

なぜそれを塾で扱わないのかと言うと、内容が難しすぎるからですね。

灘中志望者対象の特訓講座などでは普通に出てきたりします。

で、なぜかみんな知っていたりします。

なんで?

・・・・・。それは「ヒラメキ」です。

゚+。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+゚ キラメキッ!

 

 

 

授業でよく使われるマジックテクニック

問題解説などでよく使われるトリックテクニッテがあります。

みんなが解けなくて悩んだ問題を瞬殺するテクニックです。

例えば図形の問題なんかだと、「ここに補助線一本引けばあとは瞬殺!」とかいうやつですね。

補助線を一本引いただけでみんながよく知っている図形が見えてきたりするパターンです。

それを聞いた瞬間、みんなから「お~!!」という声が聞こえてきたりするので講師は面白がってかなり大げさに解説するんです。

必殺技に名前をつけている人もいますね。

 

それを聞いて帰ってくると、当然「よくわかった」となるわけです。

調子に乗って「こんなの瞬殺や!」とか言うんです。

ところが、テストには違うパターンの問題が出てくるんです。

そうすると全く解けません。

 

ところが、テスト解説を聞くとまたしても「瞬殺!」なんですね。

で、わかった気になって帰ってくるんです。

同じパターンの問題が出てくれば記憶力勝負なのですが、違うパターンだと解けません。

どうしてそんなことになってしまうのでしょうか。

 

 

実は「瞬殺」できるのは知っている問題だけなのです。

全く知らない問題はそこまで速く解けるわけではありません。

講師は黒板に書いて一瞬で解いているかのように見せていますが、本当に瞬殺しているのでしょうか?

講師控室で問題が解けずに唸っている講師をよく見たものです。

どうしてもわからなくて、他の先生に聞いたりする人もいますし、30分くらい考えている人もいます。

 

ところが授業が始まると、「こんなん簡単やろ!ほら、これで瞬殺や!」と。

 

まるで3分間クッキングのようですね。

3分間といっても現在はCMも入れて10分の放送枠です。

その間に料理をするわけですが、どう考えても3分で出来る料理ではありません。

これを10分間煮込みます。 って、時間足らんやん!と思ったら、

煮込んだものがこちらにあります。 って、ずるいやん!

で、それを仕上げたものがこちらに用意してあります。

 

塾の問題解説もそんな感じですね。

補助線一本引くだけって言っても、どうやってそれに気づくのか、どうやってそこに至るのか、何から手をつけていいのか、わからなかったらどうすればいいのか、30分くらい悩んだとか、そういう舞台裏の話は絶対にしないんですね。

 

もちろん講師が一瞬で解く問題もあります。

それを解説で「瞬殺や!」とやるわけですね。

「これ覚えておくように!」って。

 

まるでジャニーズの振り付けですね。

1回見ただけで覚えろと。

いや、でも彼らは若くても(若くなくても)プロですよ。

基本となる動きはすべてマスターしているから1回で覚えられるんです。

 

プロのピアニストが楽譜を渡されて初見で弾くのと一緒ですね。

 

確かに瞬殺なんですけど。

 

そこに至るまでの長い年月と血のにじむような努力は含まなくていいんでしょうか?

 

という話です。

 

 

では、なぜ塾講師はそういう説明を省いて、いきなり補助線を引くのでしょうか?

みなさんはちゃんと説明して欲しいと思うかもしれません。

しかし、子供たちはそうとは限りません。

みなさんも実はそうではないと思います。

 

関西人はせっかちなんですよ。


これだけ文章が長くなっただけで、どこかから声が聞こえてくるような気がします。

 

「はよ結論を言えよ!」と。

 

挙句にオチまで要求してきますからね。

 

 

しかたがないのでここに補助線引きます。

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