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夏期講習の裏側 その4

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夏期講習の時間割をじっくり見たことはありますか?

塾によって多少は違うとは思いますが、例えば某塾の6年生の時間割を考えてみましょう。

 

授業と時間配分が、

テスト・解説、講義Ⅰ、講義Ⅱとあって、それぞれ同じ時間になっているのです。

また、クラスによって講義の順番が入れ替わったりします。

 

実はこのような時間配分になっているのには理由があります。

 

例えば1クラスしかない校舎ではふつう一人の講師がテスト・解説、講義Ⅰ、講義Ⅱを担当します。

順番もこの通りになります。

 

ところが2クラスある校舎では少し変則になります。

2人の講師がそれぞれ1クラスずつ担当する場合と、講義Ⅰ・Ⅱを分担する場合です。

分担する場合は、1人の講師が1組のテスト、1組の講義Ⅰ、2組の講義Ⅰを担当します。

もう1人の講師が2組のテスト、2組の講義Ⅱ、1組の講義Ⅱを担当します。

つまり、3コマ目で教室を入れ換わるわけです。

これによって何が変わるかというと、講師が1つの講義に専念できるため、予習などの負担が減ります。

また、生徒にとっても講師が入れ替わることで刺激になります。

ずっと同じ講師だと同じテンションなので疲れたり、飽きてきたりするのです。

 

これが3クラスあるとさらに変則になります。

3人の講師がそれぞれ1クラスずつ担当する場合、2人の講師が入れ替わりで1人はずっと同じクラスというパターンがあります。

しかし、いずれも講師が3人必要になります。

でもそれだと講師の数がかなり必要になるので必殺技を使います。

登場するのは准講師、つまり”テストの先生”なのです。

講師①は1組の講義Ⅰ、2組の講義Ⅰ、3組の講義Ⅰの順に動きます。

講師②は2組の講義Ⅱ、3組の講義Ⅱ、1組の講義Ⅱのように動きます。

准講師は3組のテスト、1組のテスト、2組のテストのようになります。

これは講師にとっては同じ授業を3回続けてやるのでけっこう辛いものがあります。

准講師は3クラス分のテストの採点をしなければならないので1~2時間はかかるでしょう。

塾にとっては最も少ない講師数で授業を回せる方法なのです。

 

 

まだ、他にもパターンがあります。

午前中は質問受けをしている講師が、そのままその教室で夏期講習をするとは限りません。

講師の人数が必要な大教室に呼び出されていることがあるからです。

その場合は質問受けが終了するとすぐに他校舎に移動しなければなりません。

遠い校舎の場合は少し早めに抜ける場合もあります。

でもどうしても講師が必要な場合に再び准講師の登場です。

 

3コマのうち最初のテストを准講師が担当します。そのまま授業2コマを見学します。

講師はテストの時間中に校舎を移動するのです。

 

夏期講習終了後に通常授業のため移動が必要な場合もあります。

そういうときはテストが3コマ目になったりすることがあります。

准講師は授業2コマを見学した後、テストをします。

講師はその間に次の校舎に移動します。

 

あるいは通常の授業もテスト、講義のセットになっていますから、そちらに准講師を入れて時間を稼ぐ場合もあります。

 

 

ところが、あまりそれをやり過ぎると今度は准講師も足りなくなります。

そこで校舎によって夏期講習開始時刻をずらすという戦法に変わりました。

人数の少ない校舎は開始を遅くして、講師の移動が間に合うようになっているのです。

講師は夏期講習終了後、そのままその校舎で通常授業を担当するケースが多いと思います。

 

 

緊急事態への備えと対処

 

夏期講習中はよく緊急事態が発生します。

事故や豪雨によって電車が遅れたり、止まったりすることもあります。

大規模な場合には授業が中止になることもありますが、生徒は来ているのに講師だけ移動できないということもあるのです。

講師が病気で倒れたり、寝坊したり、事故にあったりすることもあります。

どんなことがあっても授業に穴を開けるわけにはいきませんから、緊急事態が発生すると直ちに本部に連絡が行きます。

 

比較的時間に余裕があるときは、スケジュールを調整して代理の講師を手配します。

しかし、緊急事態の場合には本部の腕の見せ所です。

3クラスで講師3人の校舎に1人の講師が行けなくなった場合、代理の講師が見つからなければ准講師を派遣します。

そして2人の講師で3クラスを回すパターンに切り替えます。

 

3クラスで講師2人の校舎で1人の講師が行けなくなった場合、空いている講師がいればすぐに派遣するのですが、どうしても見つからない場合は他の校舎で講師が3人のところから1人を移動させます。かわりにその教室には准講師を派遣します。

 

他校舎へ移動中の講師に電話がかかってきて、「今すぐ別の校舎に行って」なんていうこともあります。

時間がないときは一番近い校舎から講師を移動させて、その校舎には別の講師をさらに違う校舎から移動させたりすることもあります。

 

それでも間に合わないときはとりあえず准講師だけを手配し、最初の1コマをテストにして時間を稼ぎます。

准講師も間に合わないときは、とりあえずその校舎にいる他教科の講師・准講師がテストをかわりにやることもあります。

解説の時間までに間に合えばそこで交代します。

 

どうしても他に講師も准講師もいないという事態もときどき発生します。

そんなときのために教室職員もテスト業務の研修を受けています。

事務員さんが急遽テストを担当するのです。

本部校舎でテスト業務中の准講師がいきなり職員と交代して、他校舎に向かうなんていうこともあります。

講師が到着したら今度はすぐに戻って来いなんて言われたりもします。

 

とりあえずそれで1時間は稼げますから、その間に本部がどうにか講師を確保して校舎に向かわせるのです。

だいたいどこの校舎も本部からは1時間以内に行ける場所にあります。

もともと孤立した場所にある校舎の場合、比較的近くに住んでいる講師や信用のおける講師が配置されるので最悪の事態は起こりにくいと思います。

 

ベテラン講師ともなると、いきなりその場で渡されたテキストを初見で講義することができます。

そういう不測の事態には強くなっていくのです。

だいたい本部校舎にいる講師はいつ緊急出動がかかってもいいように準備しておくべきですね。

 

もし夏期講習中に急に違う講師が来るようなことがあったとしても、授業はちゃんとやりますから温かい目で見てあげてください。

 

台風が近づいてきていますから、地域によっては授業に影響が出るかもしれません。

 

 

 


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