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夏期講習の裏側 その3

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夏期講習のシステムは塾によって違います。

夏期中は通常の授業をストップして夏期講習だけをおこなう塾と、通常の授業は継続しつつ昼の時間帯に夏期講習を上乗せする塾があります。

前者の場合、夏休み中は夏期講習だけで時間数が多くなるため、びっくりするような受講料になったりします。

後者の場合、通常の授業は毎月の引き落としで、夏期講習の分が追加になるので安く感じるかもしれません。

もちろん最難関志望と難関志望では授業時間数も異なるので当然ながら塾にかかる費用も異なります。

どこの塾が安いかを比較するのであれば、月々の月謝だけでなく年間トータルで考えないといけません。

 

さて、夏期講習とは一体何をやるのでしょうか?

 

受験学年(6年)以外は基本的に今までの復習です。

新学期の始まった2月から7月までの範囲、あるいは春期のあとの4月から7月の範囲の復習になるかと思います。

科目や単元によっては前の学年の内容を含めて復習することもあるかもしれませんが、まだ習ってない範囲は基本的にはやりません。

ただし上位クラスはやや発展的な内容を扱うため、場合によっては習ってないこともあるかもしれません。

 

生徒数の多い校舎では学力別に複数のクラスに分かれます。

実はクラスのレベルによって習う内容にはかなり差があるのです。

 

夏期講習で初めて塾に通い始める子もいます。

夏期講習のみ受講する子もいます。

そういう子は通常の授業を受講していませんから、基本的な内容を全く知らないという前提で授業をしなければなりません。

ふつうは一番下のクラスにまとめて放り込んで、2月から通っている成績下位の子と一緒に一から教える授業をします。

 

真ん中辺のクラスは偏差値でいうと50前後あたりですから、基本はできているということになっています。

しかし、何ヶ月も前に習ったことなどきれいに忘れている可能性もありますから、ざっとおさらいをしながら授業を進めます。

十分理解できているようなら発展問題に取り組ませます。

 

上位クラスは偏差値60を越えている子が多くなります。

今までの復習は家でもやっているので、いまさら授業で復習することなどほとんどありません。

どんどん発展問題を解かせて解説していくのですが、どうしても時間があまります。

それを想定してテキストの発展問題をやや多めにしていたりすることもありますが、それでも時間があまるのです。

一昔前なら講師が作った補助プリントで問題演習をすればよかったのですが、最近は勝手にプリントなんか配れません。

そこで問題を板書したり、あるいは発展的な知識をテクニックの話をしたり、別解を教えたりして時間を持たせます。

 

トップレベルの子になるとそれでも時間が余ってしまうので、夏期講習を受講しなかったり、他塾の講習を受けに行ったりしているようです。

講義1回分の宿題が授業時間より短い時間で全部終わってしまう子にとっては塾に行くだけ時間の無駄だというのです。

ではテストで100点を取れるのかというと、必ずしもそうではないところも問題です。

そういう子は家でたっぷり勉強しておくといいと思います。

 

 

受験学年になると状況は変わります。

6年生も基本的には今までの総復習ですが、テキストでは入試問題の中でも比較的簡単な問題を扱ったりします。

最難関コースでも扱う問題は基本レベルなのですが、最難関校の基本レベルなので初めて取り組む子にとってはかなりきついです。

 

難関コースの中には9月以降に最難関コースに上がることを夢見ている子がいますが、現実はそう甘くはありません。

まだこの時期は最難関コースの基準も緩いので、最難関コースにもたまたま資格が取れた子がたくさんいます。

ギリギリA判定を取れている子でさえこの先志望校を下げるべきかどうか悩む時期が来るのです。

コースを上げるどころか、9月になったらどんどん上から降りてくるのです。

そんな中でコースを上げようと思うのであれば全力で宿題に取り組んで、テストで9割以上を目標に、コース全体で上位の成績を取れるくらい勉強しなければ話になりません。

ギリギリ最難関コースに入れた子も、一番下のクラスならクラス内上位を目指して頑張っていかないと夏の花火のように消えていくことになります。

クラスが1つ上がると平均点は10点くらい上がります。

一番上のクラスなら平均点が90点くらいなのに、一番下のクラスでは60点くらいだったりします。

テストで点数が取れないということは、周りの子に比べて勉強量が足りないということです。

全力でやっていても時間も点数も足りないのであれば、今までの貯金がマイナスだということなのです。

 

集団授業である以上人数が多ければクラス分けがありますし、講師がどんなに一生懸命指導しても誰かが必ず下のクラスになってしまうのです。

ものすごく頑張っている子がいれば何とか上のクラスに上がって欲しいと思いますが、サボっている子がいればさっさと下のクラスに落ちてしまえと思ってしまうのは仕方のないことだと思います。

保護者は塾講師に面倒見を期待していると思いますが、やる気のかけらすら見えない子に毎日声かけをするほど暇ではないのです。

ベテラン講師ならこの時期の生徒の成績と学習態度を見ていればだいたいどのレベルの学校に合格するかはわかりますから、ギリギリで頑張っている子には力を入れますが、明らかにやる気もなくて無理だと思う子は残念ながら相手にもしないと思います。

それでも下のコースに行けばそれなりに成績を取れますから、あとはそのコースの先生に任せようということになるのです。

 

面倒を見てもらおうと思ったら、子供がやる気を見せることだと思います。

講師の本能としてそういう子を見ると何とかしてあげたいと思うものなのです。

 

まだ7月です。

夏はこれからです。

 

 

 

 

 

 

 


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