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しぼうこうはんてい簡単ガイド

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志望校がA判定だったけど大丈夫なの?
C判定だったけど何とかなるかな?
 
塾の説明会に行くとこんなことを言われます。
「A判定でも落ちた人がいる」
「C判定でも合格した人がいる」
だから頑張れ、と。
 
それって模試の結果は信用できないということなんでしょうか?
と疑問が湧いてくるのも無理はありません。
挙句の果てに「塾を信じてください」と言われると、もう何も信用できない気分になってくる今日この頃かもしれません。
 
けっきょくのところ、模試の判定の意味がよくわかっていないとそういうことになります。
そこで簡単に説明しましょう。
 
大手塾の模試判定は、A・B・C・Dの4つしかありません。
(五木・駸々堂の模試はFまで)
大学受験を経験された方であれば、E判定とかF判定なんかがあったのを覚えているかと思います。
大学受験ならC判定で合格圏です。(五木・駸々堂の模試も同様)
A判定ともなればほぼ確実というレベルです。
しかし、中学受験の判定は4段階ですから同じように考えてはいけません。
大学受験のA・B・C判定⇒中学受験のA判定
大学受験のD判定⇒中学受験のB判定
大学受験のE判定⇒中学受験のC判定
大学受験のF判定⇒中学受験のD判定
くらいに思っておいたらいいでしょう。
 
 
A判定とは
「合格可能性80%のライン」などと書かれています。
ただしこれは100回テストを受けたら80回は受かるという意味ではありません。
もしそんなことが書いてあったとしたら大嘘です。
A判定の人を100人集めたらそのうち80人が合格するということです。
 
基準となる偏差値はその塾の前年度までの実績をもとに計算します。
まず各受験生の小69月~12月あたりの平均偏差値を求めます。
 
ある中学の受験者を偏差値順に並べ、偏差値の高い方から合格者と受験者を集計します。
で、ちょうど合格者数が受験者数の80%になる偏差値、もしくは80%を切る直前の偏差値をA判定のラインとするのです。
そこに過年度との比較で多少の補正が入り、若干の塾の思惑が入り、偏差値表が完成します。
実際のところ、入試日程や募集人数が大きく変動しない限り、それほど偏差値が変動することはありません。
 
 
A判定でも落ちる?
計算上はA判定でも2割は不合格になります。
いくらA判定を取り続けていても関係ありません。3~4ヵ月の平均で考えるからです。
 
「今年はA判定の子が全員合格しました」なんて話があったとしたら、それは塾の予測が大きく外れたということです。
反対にC判定でもたくさん合格が出ているとしたらそれも予測が外れたということになります。
 
A判定80%の誤解
A判定であれば誰でも80%合格するわけではありません。
A判定の幅が広いので、A判定の上の方とギリギリではかなりの差があります。
 
例えばA判定偏差値60の学校があったとしましょう。
偏差値70の子が受験すればほぼ合格します。(計算上は99%以上100%未満)
偏差値65くらいになると95%以上です。
偏差値62くらいだと80%くらいになります。
偏差値60ちょうどだと、50~60%くらいの合格率なのです。
 
 
80%は安全なのか?
目の前につり橋があります。
A判定なら80%の確率で渡ることができますが、20%の人は落ちます。
人生賭けて渡りますか?
その前に、本当に80%でしょうか?
 
 
合格可能性50%でも2校受けたら100%になる?
残念ながらなりません。
同じ偏差値の学校AとBを合格可能性50%の人が受けたとすると
2校とも受かる可能性25%
A校だけ合格する可能性25%
B校だけ合格する可能性25%
2校とも不合格になる可能性25%
です。
 
 
志望校別コースのクラス分けと判定の目安
小6の志望校別コースが始まると、同じ志望校を目指す生徒が集まります。
多いところは4クラスくらいになるのですが、成績順に分けられます。
A判定なら1~2組
B判定なら2~3組
C判定なら3~4組
D判定なら4組
あたりになるかと思います。
1組ならほぼ全員合格、2組なら上半分くらい、3組なら数人、4組は出たら奇跡という感じになります。
(0組があるコースの場合、1つずれます。)
 
3クラスならA、B・C、Dくらいのイメージで、2クラスならA・B、C・Dでしょうか。
 
C判定からの合格
C判定といってもA判定から偏差値で数ポイントしか違いません。
今の時点でC判定でも、これから頑張ればA判定まで可能性はないわけではありません。
 
C判定の偏差値を決定するときの判断材料としては、その偏差値で合格者が1人でもいるかどうかというのがポイントです。
例えば偏差値60の学校に、平均偏差値56で合格している人が1人でもいればC判定を56にしたりするわけです。
D判定は合格者が1人もいない偏差値ということになります。
 
ちなみにふだん偏差値60を切ったことがない子でも、たまに偏差値56くらいをとってしまうこともあります。
それでC判定だったからといって諦めてまったらもったいないということで、C判定でも諦めるなと言うわけです。
C判定の合格可能性は5~20%くらいでしょうか。
 
 
灘中で考えてみた場合
2017年の受験者数は667人で合格者は242人でした。
同じ受験者で模試を行った場合、合格判定はどうなるでしょうか。
A判定(合格可能性80%)のラインは、242÷0.8=302.5ですから、全受験者667人中302位までがA判定という計算になります。
その場合の不合格者は60名です。
B判定(合格可能性60%)だと、242÷0.6=403.33…ですから、全受験者667人中403位までがB判定という計算になります。
C判定(合格可能性40%)なら、242÷0.4=605となります。全受験者667人中605位までがC判定という計算になります。
 
いや、何かがおかしい…。
 
というわけで、実際の志望校別模試などでは前年度の合格者数などをもとに、志望者のうち何位までがA判定、何位までがB判定などと判定を出しています。
塾生全員が受験するテストとは計算方法が異なるのです。
 
 
 
高い合格率を誇っている塾があります。
一体何が違うのでしょうか?
調べてみたところ、その塾のA判定は85%で計算されていました。
つまり、偏差値は少し高めに設定されているということですね。
ギリギリの人でも6~7割の合格可能性になると思います。
全体として受験者が絞られるので合格者数は減るかもしれませんが、合格率は高くなるのです。
 
 
灘中なんとか模試の結果がA判定だったと喜んでいる人がいます。
ぜひ次はAマル判定を目指して頑張ってください。
(Aマル判定とはA判定より上の判定です。Aに〇がついています。)
 
 
 
 
 

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