公開テストの結果をどう見るかというのが今後の勉強方法を考える上で重要となります。
新年度最初のテストというのはとにかく結果が出ないことには判断できません。
前年度に比べて生徒数が大きく増えていれば母集団が膨らむわけですから、その平均値も偏差値の出方も変化する可能性がありますし、あまり変化しない可能性もあります。
テストの科目数、問題数、テスト時間、配点、さらに問題作成者が変わればその傾向も大きく変わるかもしれません。
テストの時間帯が変わるだけでも多少の影響が出ることが考えられます。
それにうまく対応できなかったのであれば、つまり前回より成績が悪かった場合、直ちに次のテストに向けて何らかの対応策を検討していかなければならないのです。
偏差値の平均推移を考える
偏差値は毎回多少なりとも変動します。
第一に平均点や得点分布が変動するからです。
科目ごとに見れば出題分野によって得手不得手がある人ほど変動は大きくなるでしょう。
一番わかりやすいのは国語で、論説文と物語文が1ヶ月ごとに交互に出題されると、偏差値が激しく上下する人がかなりいます。
理科も出題分野によって差が出やすい科目です。
偏差値が大きく変動する人がいるのです。
そこで、毎月の結果に一喜一憂するのではなく、3~4ヵ月のスパンで平均値を出した上で問題点を見つけ出さなければならないのです。
3~4ヵ月あればどの科目であっても各分野がまんべんなく出題されているでしょう。
一通り出そろった時点での平均値を本当の実力であるとみなしたうえで、分野ごとに得意不得意を見極め、その対策を考えていくといいかと思います。
成績が不安定な人は不安定な原因があるはずなのです。
志望校偏差値
偏差値表の数値も3~4ヶ月の平均値を基に算出していますから、それに合わせて公開テストの結果も3~4ヶ月の平均値で判断しなければ整合性がとれません。
たまたま今回の成績が良かったから大丈夫とは限りませんし、たまたま悪かったからといって可能性がないとも限りません。
安心を求めるのなら毎回全科目でA判定以上の偏差値を取ることです。
そのためにはどの科目のどの分野を復習するべきなのかを明確にしておく必要があるのです。
全部取れているのなら、A判定+2ポイント以上とか目標をもう少し上にしましょう。
新入塾生
入塾から3ヶ月~半年くらいは偏差値が変動すると思います。
まずはテストに慣れること、そして宿題がちゃんとこなせるようになることで3ヶ月もすれば実力相応の成績を取れるようになります。
その時点でクラスが上がっていたり、まだ上昇傾向があるようならもうしばらくは伸びる可能性があります。
ですが、いずれどこかで頭打ちになります。
そのあたりで特訓講座を受講するとか、クラスが上がるとか、勉強時間や量を増やす努力が必要になります
他塾からの転塾組はスタートの時点から上のクラスという人もいますが、やはり最初の3ヶ月くらいで実力相応の位置で落ち着きます。
入塾テストで成績がよく、上位クラスからスタートしたものの成績が取れずにクラス落ちすることもあります。
復習テストなどは日々の努力ですぐに対応できても、公開テストのような実力テストになると実力をつけるのに時間がかかるからです。
正答率
よく塾の先生が言うのは、「正答率の高い問題をしっかり解く」というセリフです。
例えば算数では、「大問1、2をしっかりといて、3以降は(1)だけでも取れるように」なんていうことを言われるかもしれません。
でもその通りにやると偏差値50くらいしか取れません。
偏差値40台の人ならその考え方でいいのですが、上のクラスではまったく通用しないのです。
正答率60%までの問題をすべて正解すると、それだけで平均点くらいにはなります。
それで偏差値50です。
正答率50%までにすると、ようやく偏差値50を超えますが60にはまったく届きません。
最難関校を目指すのであればそんな甘いことを言っていてはいけないのです。
順位で考えてみましょう。
偏差値60以上というのは全体の16%くらいまでです。
ということはそれくらいの正答率の問題を解けるようにしていかなければならないのです。
実際には20%~30%くらいの問題まで解ければ、だいたい偏差値60には届くと思います。
それは上位帯でもけっこう正答率の高い問題を落としたりしているからです。
そのかわりもっと正答率の低い問題を拾っていたりするのです。
ですから、復習の目安としてはそれくらいまでで十分だと思います。
ただし、テストの問題の難易度や正答率はあまり安定しているとは言えません。
そこでテストごとに目標とする偏差値に届くためにはあと何点必要で、そのためにはどの問題を解けるようにしなければならないのかと考えていくのがいいでしょう。
最上位クラスになると状況は全く違います。
例えば塾内で上位数%に入る順位の人であれば、正答率20%の問題を落としていては話になりません。
例えば2000人くらいの中で100番以内に入ろうと思ったら、5%以内に入るということです。
だとしたら5%の人が解いている問題を解けるようにならなくてはなりません。
灘とか狙うのであれば上位1~2%以内には入らなくてはなりませんから、当然それくらいの正答率の問題を解けるようにならなければならないのです。
正答率1%とか0%なら解けなくても仕方ないというところですが、それは復習しておかなくていいという話にはなりません。
正答率0%といっても四捨五入で0%ですから、最大で0.5%未満は正解者がいるのです。
灘を目指すのであれば捨て問などない(少なくとも公開テストレベルでは)ということを覚えておきましょう。
もし「その問題はやらなくていい」などと言われたとしたら、「君は灘には行かなくていい」と言われているようなものなのです。
あるいは質問受けをするのが面倒なのか、対応する能力がないかのいずれかでしょう。
