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我が子に適正な志望校の聞き出し方

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まだ入試まで10ヶ月以上あります。

ですから今から志望校を決めるのは早すぎると言われます。

「いや、うちは最初からここに決めています」

という人もいると思いますが、

それでも「まだ早い」と言われた場合、ひょっとしたら「かなり厳しい」ということを遠回しに言われているのかもしれません。

 

決定するのはまだ早いかもしれませんが、だからといって全く考えなくてもいいということではありません。

ある程度候補を検討しておかなければなりません。

これから夏に向けて成績が上がった場合の志望校、このまま横ばいだった場合の志望校、成績が降下した場合の志望校、そしてそれぞれの場合の併願校。

 

ですが、それを教育相談などでふつうに聞いたところでまともな答えは返ってこない可能性が高いのです。

それにはちゃんとした理由があります。

 

例えば、今から安全策を取って、今の偏差値より低めの志望校を設定すると、気持ちが緩んだりモチベーションが下がって学習意欲が消失し、結果的にその志望校すら危ないという状況にならないとも限りません。

反対に少し高めでも頑張れば手が届きそうな志望校を目指した場合、ひょっとしたら成績が伸びてくるかもしれませんし、最悪伸びなかったとしても現状維持できるのであれば、今目標を下げてしまうよりもいい結果になるかもしれません。

 

また、講師の方からいきなり学校名を出すというのは非常に危険なのでふつうはやりません。

場合によっては保護者や本人のプライドを傷つけてしまう恐れがありますし、その結果クレームが発生する恐れもあるからです。

そういう話を持ち出すのは入試が近づいて、でも成績が全然足りず、もうどうしていいかわからないくらいに追い詰められた状況になってから、というのが基本です。

 

ですから、この時期に”今の実力で狙える適正な志望校”を聞きだすのはかなり難しいのです。

そんなの知りたくないというのなら聞かなくてもいいのですが、参考のために聞いておきたいというときの上手な聞き方を考えてみましょう。

 

 

クラス帯の合格実績を聞く

その方法の一つが、現在在籍している校舎・クラスの昨年度の合格実績を聞くというものです。

昨年度だけだと偏りがあるかもしれないので、例年どんな感じなのかを聞いてみるといいと思います。

 

これは講師よりも職員の方が詳しいかもしれません。

講師によっては毎年担当する校舎やクラスが変わるので、そこまで詳しいデータを知らない可能性があります。

その教室でベテランの職員ならバッチリだと思います。

 

現在のクラスの子たちが、毎年どのような学校を受験し、どのような学校に合格しているか、

志望校や併願パターンを教えて貰うといいと思います。

複数のクラスがあるのなら、一つ上のクラス、一つ下のクラスの状況も聞いておくといいと思います。

 

その中に現時点での志望校がなければ、その学校に合格する子はどのクラス帯なのか、どういう講座の取り方をしているのか、どんな勉強をしているのかなどと聞いてみるといいでしょう。

もし、それが今よりも上のクラスなのであれば、さしあたってそのクラスに上がるということが今の目標となります。

 

それが絶望的であれば、同じクラス帯の子の合格校の中から志望校を考えていかなければなりません。

 

同じクラスでも上位と下位では偏差値が随分違うことがあります。

クラス数の少ない小教室の場合、同じクラス内でも偏差値が10以上違うなんてことはざらにありますから、クラス内のどれくらいの位置にいなければならないかも重要です。

 

また、同じ志望校でも受験の仕方によって結果が大きく変わることがあります。

複数日程のあるところ、専願併願のあるところ、それによって加点されたり、難易度や倍率が大きく変わる学校もあります。

例えば第一志望をやや高めの学校Aでチャレンジして結果的に併願校Bに進学するのと、最初から無理をせず統一日にBを専願で受験するのとでは入学時のコースが大きく変わってくるということもよくあります。

その可能性があるかどうかはそのクラスの合格実績を見ればある程度わかると思います。

 

高めの学校をチャレンジして運よく合格してもついていけるか心配という声をよく聞きます。

どう考えても1ランクも2ランクも上の学校に奇跡の合格をすることもたまにあるわけです。

 

ついていけるかどうかの心配というのであれば心配はいりません。

だいたいついていけません。

心配すべきはどうやってついていくかということになります。

そんなときに目安となるのが現在のクラスなのです。

6年スタート時のクラスが最終的にどうなるのかというと、ほとんど変わりません。

新入塾とか転塾してきたとか、急に勉強時間を増やしたとか、個別や家庭教師をつけたとか、親が会社を辞めて勉強を教え始めたとか、よっぽど大きな環境変化でもない限り基本的に成績は変わりません。

成績が不安定な人はクラスを行ったり来たりしますが、それはちょうどクラスの境目のあたりの成績だということです。

 

中学に入ってからの勉強といっても、今までやらなかった子が急にやるようになる可能性はもの凄く低いですし、親が管理してやらせていた子が中学から突然親の干渉なしに自分でやるようになる可能性もきわめて低いです。

ですが、中学校の成績というのも周りの子の学力との相対的な差で決まる要素が大きいと思います。

つまり、同じクラスの子と同じ中学校に進学すれば現在と同じような状況になると考えていいと思います。

1クラス上の子たちと同じ中学校に行けばどうなるかは、今いきなり上のクラスに上がったらどのような順位になるかを考えてみればわかると思います。

 

もし、下のクラスで上位に入っているときの方が調子がいいのであれば、思い切って1ランク下の学校で上位を狙うというのも一つの方法です。

クラスが上がるたびに苦しみながらもじわじわ成績を上げてきているタイプなら、1ランク上を目指してしがみついていくというのもいいかもしれません。

 

 

講師に教育相談をする前にある程度そのクラスの合格校を把握しておいて、この学校はどうですかと聞いてみるといいと思います。

その学校をやたらと褒めるようならその学校がいいということです。

 

もっと頑張った方がいいと言われたら、まだそのレベルに届いていないか、安心できない状況だと考えたほうがいいかもしれません。

 

もっと上の学校を狙えると言われた場合は、講師から見てまだ可能性があるということです。

もちろん努力次第ですが。

 

もし本命校がもっと上のレベルなら、そのあとでさりげなく伝えてみるといいと思います。

人間というのは本能的に話したくない話題が出ると話をそらそうとします。

まずはクラスを上げることを・・・、成績を上げることを・・・、勉強の仕方を・・・、というような流れの話が出たら、それは現状では無理だということだと思います。

 

より具体的な勉強方法の話が出て、これをこうしてくださいとか、わからないところはどんどん質問を持ってきてください、すぐに始めてください、くらいのことを言われるのであれば可能性はあるかもしれません。

もちろん言われたことを全力でやれば、の話ですが。

 

その志望校でいいと思います、大丈夫ですよと言われたらかなり可能性は高いと考えていいでしょう。

例えば塾の偏差値表では高めに設定されている偏差値でも、受験方法、科目数、専願、その他対策によってもう少し入りやすい場合もあります。

偏差値40台あたりの学校の偏差値はかなりアバウトな場合があって、実際はもっと低かったりすることもよくあります。

そういう話は担当コースの先生に聞いてみるといいでしょう。

 

 

 


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