ジェットコースターが好きな人ならぜひ行ってみたいのが富士急ハイランドですね。
怖いジェットコースターランキングに何種類かランクインしています。
その中の一つが最大傾斜角121度って、もはや自由落下ですらない異常な角度ですよ。
(※行ったことはありません)
関西からの近場でいうとナガシマスパーランドですね。
最大落差日本一のジェットコースターがあります。
最大速度は153キロ。
(※行ったことはありません)
ジェットコースターは落ちたり、上がったり、回転したり、スピードが出たりするたびにそのスリルを楽しむアトラクションですが、事故さえなければ安心して楽しむことができます。
しかし、塾で毎月行われる公開テストは偏差値の上下に一喜一憂して楽しむアトラクションではありません。
最後は元の位置に戻ってきて、「あ~よかった」と安堵するものでもありません。
どちらかというと地味にゆっくり上がっていくのが理想的かもしれません。
さて、本題に入りましょう。
なぜ成績が急降下するのか
まず初めに確認しておかなければならないことがあります。
・急降下の定義
成績が急降下するというのは具体的にどれくらいの数値のことを言っているのでしょうか。
平均点付近(偏差値50前後)の人がどれくらいの幅で変動するかを調べてみたことがあります。
サンプルは偏差値45~55くらいの生徒100名以上、3年に渡ってデータを取り続けた結果見えてきたことがあります。
偏差値の振れ幅を集計してみたところ、その標準偏差は約2.5くらいになったのです。
つまり偏差値の振れ幅が上下で5ポイント以内に収まる生徒が約7割ということです。
簡単に言うと、偏差値5くらいは普通に上下しますよ、ということです。
ですからそれくらいで急降下とは言えないということになります。
上位層になると状況は全く違います。
毎回100点を取っていたとしても、偏差値が激しく上下することがあります。
これは平均点や標準偏差が変動するためです。
対策は何もありません。
順位だけを見てください。
・急降下の前に急上昇はなかったか
たまに普段では考えられないくらいいい成績を取ることがあるかもしれません。
偏差値が一気に10くらい上がるケースもあります。
問題はその翌月です。
いつもの成績に戻るだけでも急降下なのですが、いつもより少し悪い成績まで一気に下がると落差日本一の絶叫マシーンになってしまいます。
過去3ヶ月くらいの平均値と比較して考えましょう。
では、急降下の主な原因を考えてみましょう。
【学年の変わり目】
学年が変わると成績が下がるケースが案外見られます。
特に中堅層です。
上位と下位は良くも悪くも安定しています。
学年が変わることで何が変わるのでしょうか。
・テスト時間
学年が上がると長くなったりします。
長いと思っていると時間配分を間違えたりします。
・問題数
問題数が増えたり、問題用紙が増えたりします。
時間配分を間違えると最後の問題にたどり着けないこともあります。
ミスも増えます。
・問題作成者が変わることで出題傾向が変化
これがけっこう影響するかもしれません。
問題の難易度ももちろんですが、出題形式や問い方が変わるだけでも難しいと感じるかもしれません。
引っ掛け問題に引っかかるかもしれません。
・テスト時間帯
今まで午前中だったのが午後になったり、午後だったのが午前中になったり。
それだけで集中力が低下したり、計算力が落ちたりします。
・出題範囲
学年が上がると、基本的に前学年の全範囲が出題範囲になります。
現在習っている範囲は今後の出題範囲になります。
6年生になると出題範囲の制限がなくなるケースもあります。
・生徒数の変化
一般的に学年が上がると生徒数は増えます。
新入塾が増えればどちらかというと平均は下がるので、前年度から通塾している子には比較的有利に働くはずです。
ここまではみんな同じ条件なので、単純に考えると慣れてしまえば本来の成績に落ち着くと考えてもいいかと思います。
基本的に母集団はそれほど変化しないので、学年の変わり目というだけで成績が下がる理由にはなりません。
他塾から転塾した場合には、前の塾での偏差値と比較しても全く意味はありません。
【成績が乱高下する要因】
これもいくつか考えられます。
特に中堅層に見られる現象を考えてみましょう。
・ミス
本来の実力をもってすれば正解できるはずなのに、何らかの要因によって不正解となったものを一般的に「ミス」と呼んでいるようです。
計算ミス
単純な繰り上がりや掛け算などの間違い
問題文の読み飛ばしによる解答方法の間違い
A・Bで答える正誤問題を○×で解答、正しくないものを選ぶところを正しいものを解答など
解答欄の間違い
わからない問題を飛ばしたときに、解答欄がずれる
解答の書き間違い
計算用紙の答えは合っているのに、解答用紙に写し間違える
問題の意味を勘違い
などがあります。
「本当は合っていたのに」と言うかもしれませんが、それは間違いです。
間違える原因は実力不足、練習不足です。
出題者もそれをわかっていて出題してくるのです。
ところが、そういったミスも調子のいい時は少なくなります。
1問5点の問題を2問正解するだけで偏差値は5ポイントくらい上がりますから、そのときの調子の良し悪しで成績が大きく変動します。
・得意単元と苦手単元
得意な単元から出題されれば成績はあがりますが、苦手単元から出題されれば成績は下がります。
これは勉強の仕方に問題があると考えていいと思います。
チェックしなければならないのは落とした問題の正答率です。
正答率が低い問題は本人の得意・苦手に関係なく、単純に難易度が高いわけですからできなかったからといって苦手ということにはなりません。
そもそも何の対策もせずに実力テストを受験して、苦手単元が出たとか言っている時点で考え方が間違っているのかもしれません。
理科や社会は出題される単元によって大きく差がでやすい科目です。
成績が上下するのは勉強方法に問題があると考えるのが妥当です。
国語は物語文と説明文で差が出やすいですが、わかっているなら対策をするべきですね。
・「運」
テストでわからない問題があっても、とりあえず何か書いて解答欄を埋めるというのがセオリーです。
何も書かなければ不正解ですが、何か書けば運よく当たるかもしれないという捨て身の最終手段です。
しかし、4択問題だと25%の確率で当たります。
わからない問題が4問あれば平均して1問くらいは当たります。
4問とも正解する確率は0.4%、3問正解が4.6%、2問正解が21%、1問正解が42%、0問が31.6%です。
選択問題はだいたい1問2点くらいなので、1問正解するごとに偏差値が1ポイントくらい上がります。
選択肢がある程度絞り込める実力があればもう少し確率は上がるかもしれません。
しかし、実力で解こうとすると正解率は下がるように問題が作られていたりします。
これが計算問題になると当てるのは難しくなりますが、答えが整数になるような問題の場合、ふだんよく出てくる数値を書くと正解する確率が高くなります。
1問の配点が大きいので、正解すると一気に3ポイントくらい偏差値が上がることがあります。
確率というのは偏りがあるので、たまに大当たりを引いてしまうこともあるわけです。
生徒数が多ければ、毎回何人かは大当たりを引くのです。
運かどうかは正答率と答案を見れば一発でわかると思います。
上位と下位の子にとっては平均点がどうなるかで偏差値が大きく変動します。
それは運だと思って諦めてください。
大事なのは順位です。
・モチベーション
成績が悪かった翌月はみんなそれなりに頑張って勉強します。
※親の本気度で決まります。
ところが、成績がよかったらどうなるでしょうか?
ホッと一安心して締め付けが少し緩くなりませんか?
そうすると確実に前月より勉強量が減ります。
そしてそのツケが回ってくるのです。
で、成績が下がる。
締め付ける。
成績が上がる。
緩める。
成績が下がる。
完全にネタですね。
頑張って成績が上がったのなら、そのまま続けないとダメなんです。
もっと上げたかったらもっと頑張らないと。
リバウンドが来ますよ。
それ以外にも成績が激しく上下する原因がありますが、それはまたの機会に。
けっきょく1年間頑張っても全然上がらなかったという人もいるかもしれませんが、必ずスタート地点に戻ってくるのがジェットコースターです。
落差日本一の絶叫マシーンより怖いもの・・・
激しさ日本一の絶叫ママーン