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迷ったときは「ウ」と答える

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選択の問題です。

人生の選択とかそんな大袈裟な話ではなく、入試とかでよくある「ア~エの中から1つ選び記号で答えなさい」という選択問題です。

それがその後6年間の人生を左右するかもしれませんが、答えがわからないときはどうしようもありません。

中学受験の世界で叩きこまれるのが「絶対に空欄を残してはならない」という教えですが、その理由は「ひょっとしたら当たるかもしれない」という単純な確率の問題なのです。

 

 

「迷ったときは”ウ”と答えなさい」と真顔で教える先生もいます。

そして、それを真剣にメモする生徒もいるとかいないとか。

 

なぜ「ウ」なのでしょうか?

 

入試では選択肢が4~5個あるパターンが多いのですが、多くは片仮名でア~エ、もしくはア~オの中から1つ選び記号で答えるという形式です。

さて、「今すぐ5択問題を作って下さい」と言われたらどうなるでしょうか?

統計的に見て、正解が「ウ」になる確率が高いと言われているらしいです。

 

というのも、問題作成者の心理としてなるべく最初の選択肢を正解にしたくないというのがあります。

 

小学生の作る選択クイズはたいてい正解が「ア」ですね。

最初に正解があって、あとから不正解を作るのでそういう順番になってしまうのでしょう。

というわけで、アを正解にすると正答率が高くなりそうな気がするので回避するのでしょう。

 

最後の選択肢もどちらかというと回避されます。

トランプのババヌキとかでも、両端にジョーカーがくる可能性は低いかと思います。

どうしても人間の心理として、真ん中辺に隠そうとしてしまうのです。

5択問題なら真ん中の「ウ」、4択問題なら「イ」か「ウ」になる可能性が高くなります。

 

そこで、「ウ」を選択すれば正解する可能性が高くなるのではという考えが出てくるのでしょう。

 

 

実際に調べてみた

 

この仮説は正しいのかどうか実際に調べてみたことがあります。

対象としたのは難関レベルの学校20校くらい。

※ちなみに最難関レベルの学校は選択問題がほとんどありません。

赤本の解答をひたすらめくり、選択問題の解答の統計を取ってみました。

 

偏差値40台の難関校では、「イ」や「ウ」が多くなる傾向が見られる学校がいくつかありました。

偏差値50台の難関上位校ではあまりそういう傾向はなく、満遍なく散らばっているという感じです。

中にはア~オの正解数が均等に分布している学校も見られました。

つまり、「ウ」を選ぶ作戦は対策済みだということです。

 

中学校の定期テストなんかだと作る先生の性格がでますから、例えば伊藤先生の作る問題の答えに「イとウ」というのが多いとか、橋本先生の作る問題は答えが「84」になることが多いなんていうのがあります。

ですが、さすがに入試問題はそういう問題は少ないかと思います。

それでも、算数の文章題に出てくる人物名が学校名とか、読んだだけでどこの学校の問題かわかるようなものもあります。

 

ちなみに、理科の生物(人体)でア:食道、イ:胃、ウ:十二指腸、…なんていう選択肢があります。

これは一見するとダジャレのようにも見えますが、おそらくは受験生の混乱を避けるための配慮ではないかと思います。

ウ:胃とかだとややこしくなるのです。

 

最悪の選択問題は、

A:ア、B:イ、C:ウ、D:エとなっていて、A~Dのうち1つを選ぶとか、

正しいときはA、誤っているときはBと答えなさい、なんていう意地悪問題です。

塾のテストで大問1つ全滅した経験があるという人もいるかと思います。

塾がやっているのは意地悪ではなく、そういう入試に対する対策の一環です。

 

 

結論

 

迷ったときは「ウ」と答えるというのはあまり意味がありません。

ただし、有効な学校も存在します。

各家庭で志望校の過去問の解答を調べてみてください。

科目によっても違いがあります。

入試問題を作る先生の性格によるものと思われます。

ただ、来年も同じ先生が作るかどうかはわかりません。

 

「ウ」を選ぶことに意味はありませんが、あらかじめ迷ったときの行動を決めておくことはいいかもしれません。

そもそも選択問題で迷うということは正解がわからない状態なのですから、あれこれ考えてみても時間の無駄でしかありません。

これが正解だと思うものがあれば勇気を持って書きましょう。

ないときは「ウ」でもいいと思います。

「ウ」が気に入らない人は「ア」でも何でもいいです。

 

ただし、選択肢があ~おのときは平仮名で答えましょう。

「AまたはBで答えなさい」のときは「A」か「B」と答えましょう。

「AまたはB」と書いたら笑いは取れるかもしれませんが、点は取れません。

 

 


 

 

補足1(全部「ウ」と答える)

 

全部「ウ」と答えたら1つは当たる。

そういうタイプの問題もあります。

例えば、4つの項目があって、それぞれにあてはまるものをア~エから選び記号で答える問題です。

 

これなら確実に25%正解できます。

もし、どうしてもあと1問正解が欲しいというのであればその戦術でいいと思います。

ですが、それでも点数が足りないという状況なら絶対に取ってはいけない戦術になります。

いちかばちかランダムに解答する方が可能性が出てきます。

 

ちなみに入試では答えが全部「ウ」になるような出題の仕方はしません。

適当に書いた子が運よく(実力もないのに)合格してしまうことを防ぐためだと思われます。

 

 

社会の語句問題ですべての解答欄を「安倍晋三」と書いたりする人がいます。

これだけ書けば1つくらい当たるかも、というのです。

選挙じゃないんだから。

意外にも問題のテーマに合ったキーワードを連呼するとたまに当たったりするんですね。

選挙みたいなものなのか。

 

補足2(確率勝負)

 

これはあくまでもテスト本番で答えの見当がつかないときの緊急手段(警戒レベル5)です。

何よりも試験時間を優先することが目的であって、点数を取りに行くためのものではありません。

 

4択問題をランダムに解答して正解する確率は25%です。

5択問題なら20%にしかなりません。

 

入試の合格最低ラインが6割だとしたらこの確率勝負では全く勝ち目がありません。

せめて5割を実力で確保して、残りの5割のうちの20%(つまり全体の1割)を確率的に取りに行くという作戦なら可能性はあります。

 

 

今やるべきこと

 

今はそんなことを考えるよりも、実力で1つでも多く解けるように知識を身につける時期です。

あれこれ悩んだ挙句にランダムに解答して不正解になるような問題でも、知っていたら一瞬で正解できるのです。

 

 

最後に一言

 

迷うな!

 

 

 

 

 

 

 


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